第217回国会(常会)
質問第六二号 政府の長期的な財政状況を評価する上で重要な指標の一つである生涯純受益額の推計に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和七年三月十八日 浜田 聡
参議院議長 関口 昌一 殿 政府の長期的な財政状況を評価する上で重要な指標の一つである生涯純受益額の推計に関する質問主意書 政府は「平成十三年度年次経済財政報告」(以下「同報告書」という。)において、生涯純受益額の推計を公表している。内閣府ウェブサイトに公表されている同報告書の第三章第三節「国民の受益・負担から見た財政」によると、下記のとおり、生涯純受益額の重要性を示した記載(以下「生涯純受益額の重要性」という。)が見られる。 「政府の財政状況を評価するに当たっては、もうひとつ重要な視点がある。それは、各世代(例えば三十歳代世代、六十歳代世代、これから生まれてくる将来世代など)が生涯を通じてどの程度受益し、負担するかという視点である。本節では、「世代会計」により、各世代の生涯の受益と負担の推計を行う。これによって、現在世代のうち、高齢層と若齢層で受益と負担の関係が異なっていること、将来世代に負担が先送りされていることなどが明らかになる。そして、現行の受益と負担の構造を維持したまま、将来への負担先送りによって、長期的な財政均衡を達成することは難しいことがわかる。」 「各年の個人の「受益」と「負担」を推計し、各年の収支をその人の生涯にわたって過去から将来まで眺めてみることにより、政府の財政状況を、長期的にとらえなおすことができる。」 生涯純受益額は、過去から将来にかけての各世代の生涯受益額から生涯負担額を差し引くことにより推計でき、世代間格差を定量的に検証する上で、極めて重要な指標の一つである。これらを踏まえて、以下質問する。 一 生涯純受益額の重要性について、現在の政府の見解を示されたい。 二 政府が把握する直近の生涯純受益額の推計及び推計から読み取れる分析や政府の受け止めを示されたい。また、同報告書に記載されている生涯純受益額の推計を行った時期及び機関を示されたい。 三 生涯純受益額の推計を定期的に行うべきと考えるが、政府の見解を示されたい。 四 生涯純受益額の推計は、長期的な運用を前提とする年金においても極めて重要な指標であると考えるが、将来の公的年金の財政見通しを検証する「令和六年財政検証」において、生涯純受益額の推計は確認したか示されたい。 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。 右質問する。 |