質問主意書

第217回国会(常会)

質問主意書

質問第五七号

公的年金シミュレーターにはマクロ経済スライドが反映されておらず実際にもらう年金よりも高い金額が表示される可能性に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和七年三月十二日

浜田 聡


       参議院議長 関口 昌一 殿



   公的年金シミュレーターにはマクロ経済スライドが反映されておらず実際にもらう年金よりも高い金額が表示される可能性に関する質問主意書

 マクロ経済スライドは平成十六年の年金制度改正で導入された仕組みであり、賃金や物価による年金額の改定率を調整して、緩やかに年金の給付水準を調整するものである。具体的には、賃金や物価による改定率から、現役の被保険者の減少と平均余命の伸びに応じて算出した「スライド調整率」を差し引くことによって、年金の給付水準を調整している。つまり、マクロ経済スライドによって年金給付額が抑えられることとなる。マクロ経済スライドが、厚生労働省が公表している公的年金シミュレーターに反映されているか等について、以下質問する。

一 公的年金シミュレーターにはマクロ経済スライドが反映されているか。反映されていない場合は、その理由を併せて示されたい。

二 前記一について、マクロ経済スライドが反映されていない場合、マクロ経済スライドを反映させると、将来の年金受給額はどの程度減額されるのか、推計額を示されたい。

三 前記二について、推計額を示すことが困難な場合、その推計額を把握して国民に周知すべき、又は公的年金シミュレーターでマクロ経済スライドを反映させた推計額が表示されるように変更すべきと考えるが政府の見解を示されたい。また、マクロ経済スライドが導入されている以上、政府は、年金受給額の減額の程度や時期の見込みについて、今後の推計を示すべきと考えるが政府の見解を示されたい。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。