質問主意書

第217回国会(常会)

質問主意書

質問第三四号

トランプ大統領のガザ地区を所有するという発言に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和七年二月十八日

石垣 のりこ


       参議院議長 関口 昌一 殿



   トランプ大統領のガザ地区を所有するという発言に関する質問主意書

 日本時間の令和七年二月五日朝、米国のトランプ大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と会談した後、パレスチナのガザ地区を米国が長期的に所有し、再建を主導する提案を突如発表した。トランプ大統領の提案では、ガザ地区に住む全住民を移住させて再建に当たるということだが、この提案に対して国連のグテレス事務総長はパレスチナ人の権利に関する国連委員会で演説し、「国際法の根幹に忠実であり続け、あらゆる形態の民族浄化を防ぐことが不可欠だ」と懸念を表明した。

 オスロ合意成立以降、我が国は一貫して、将来の独立したパレスチナ国家とイスラエルが平和かつ安全に共存する「二国家解決」の実現を支持してきた。一方で、ロシアによるクリミア半島併合の際は、「国際法の完全な遵守及びウクライナの主権と領土の一体性を尊重すること」を強く求める外務大臣談話を出している。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 パレスチナ自治区はヨルダン川西岸地区及びガザ地区であるという政府の認識は今後も変わることがないのか、見解を明らかにされたい。

二 トランプ大統領の全住民を移住させるという提案は民族浄化につながるおそれがあり、パレスチナの主権と領土の一体性を損なう可能性があると考えるが政府の見解を明らかにされたい。

三 石破総理は、令和七年二月三日の衆議院予算委員会における公明党の岡本三成議員からの質問に対し、ガザ地区の住民を日本で受け入れ、医療や教育面で支援することについて、実現に向けて努力する旨述べた。トランプ大統領の提案に基づき移住を余儀なくされた住民も受入れ対象とするのか明らかにされたい。

四 民族浄化を防ぎ、パレスチナの主権と領土の一体性を尊重するため、ガザ地区の住民の我が国への受入れは恒久的なものではなく、一時的なものでなければならないと考えるが政府の見解を明らかにされたい。

五 「二国家解決」を実現するためには、ガザ地区への支援において、パレスチナの主権と領土の一体性を損なうことがないよう米国に求めるべきだと考えるが政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。