第217回国会(常会)
質問第一九号 公立学校の給食費や教材費、修学旅行費等が私費会計口座として当該学校長の個人口座などに管理されている実態と不透明な管理体制による横領などの犯罪事案のリスク等に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和七年二月六日 浜田 聡
参議院議長 関口 昌一 殿 公立学校の給食費や教材費、修学旅行費等が私費会計口座として当該学校長の個人口座などに管理されている実態と不透明な管理体制による横領などの犯罪事案のリスク等に関する質問主意書 文部科学省は令和元年七月三十一日、「学校給食費等の徴収に関する公会計化等の推進について(通知)」を発出した。当該通知では、「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申)」(平成三十一年一月二十五日中央教育審議会。以下「答申」という。)において、学校給食費や教材費、修学旅行費等の学校徴収金については、先進的な地方公共団体の取組を踏まえれば、未納金の督促等も含めたその徴収・管理について、基本的には学校・教師の本来的な業務ではなく「学校以外が担うべき業務」であり、地方公共団体が担っていくべきであるとされたところ、答申を受けて作成された「学校給食費徴収・管理に関するガイドライン」を適宜参考として、学校給食費の公会計化の取組を一層推進するよう要請している。 当該通知が発出された理由は、学校給食費や教材費、修学旅行費等が私費会計口座として当該学校長の個人口座などに管理されている実態が相当数あり、これらの徴収、管理は本来、地方自治体が行うべきところ、学校が行っていることで教職員の負担が重くなり、問題となったためである。しかし、私費会計口座による管理については、学校や教職員の負担増だけではなく、不透明な管理体制による横領などの犯罪事案のリスクの方が高いことも問題である。 私の事務所から国立国会図書館に対し、令和二年から直近までの公立学校の私費会計口座における主な横領事件数に関する調査を依頼したところ、その数は六十二件にも及ぶとの回答が得られた。公立学校のみならず、地方自治体で管理する私費会計口座も同様のリスクがあると考え、公立学校及び地方自治体の私費会計口座について、以下質問する。 一 政府において、公立学校の私費会計口座の数及び内容を把握しているか示されたい。把握している場合は、その口座数、当該私費会計口座に入っている費目等の内容を都道府県ごとに示されたい。 二 政府において、地方自治体の私費会計口座の数及び内容を把握しているか示されたい。把握している場合は、その口座数、当該私費会計口座に入っている費目等の内容を都道府県ごとに示されたい。 三 学校も含めた地方自治体の私費会計口座に関する横領等の事件数を政府は把握しているか示されたい。把握している場合は、直近五年間の事件数を示されたい。 四 前記一から三について、把握していない場合、横領事案も含めて私費会計口座の実態を政府は把握すべきと考えるが見解を示されたい。 五 公立学校を含め、地方自治体の私費会計口座を公会計化することについて、現在の政府の見解を示されたい。 六 一部の地方自治体では、公立学校の給食費を負担している(無償化している)と承知しているが、給食費の管理口座が私費会計口座であり、かつ、給食費を無償化している地方自治体の有無を政府は把握しているか示されたい。把握している場合は当該地方自治体名を全て示されたい。 七 前記六について、当該地方自治体の給食費は直ちに公会計化すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。 右質問する。 |