第217回国会(常会)
質問第一七号 大阪・関西万博の電子チケット購入により第三者に個人情報が提供される場合があることに関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和七年二月三日 石垣 のりこ
参議院議長 関口 昌一 殿 大阪・関西万博の電子チケット購入により第三者に個人情報が提供される場合があることに関する質問主意書 大阪・関西万博の電子チケット購入には万博IDの取得が必須である。万博IDの取得には「万博ID利用規約」及び「個人情報保護方針」への同意が求められている。 「個人情報保護方針」には「本方針へのユーザーの同意に基づき、次に掲げる第三者にユーザーの個人情報を提供する場合があります。」と規定されており、情報提供先として、「①政府(博覧会に関係する規制当局、外国政府や地方自治体を含みます。)、博覧会国際事務局(BIE)、博覧会への協賛企業、パビリオン出展者等の博覧会の関係者」、「②SNS事業者、広告関係会社、広告配信事業者、データ分析事業者、DMP事業者、媒体社その他当協会が業務を提携する事業者」が掲げられている。つまり、第三者に個人情報が提供される場合があることを了承しないと、電子チケットによる大阪・関西万博へ入場できないことになっている。 万博IDの取得の際に「個人情報保護方針」への同意が求められているが、電子チケット購入者の大半が深く読み込むことなく同意し、個人情報が第三者に提供される可能性があると認識していないと考える。また、大阪・関西万博のHP等には、個人情報が第三者に提供される場合がある旨を分かりやすく掲載しておらず、電子チケット購入者に対する周知が徹底されていない。さらに、電子チケット購入には、万博IDの取得が必須であり、外国政府などへの個人情報の提供を望まない者が大阪・関西万博に入場したいと考えても、電子チケットを選択できない。 コンビニエンスストアや旅行代理店で紙のチケットを購入した場合、万博IDへの登録は任意だが、来場日時を予約・変更する場合には万博IDへの登録が必要となる。しかし、登録の際に個人情報が第三者に提供される場合がある旨が周知されているとは言えず、第三者への提供を望まない購入者の意思に反して個人情報が第三者に提供されるおそれがある。 以上を踏まえて、以下質問する。 一 大阪・関西万博には万博IDを取得せずに入場することは可能なのか明らかにされたい。 二 万博IDの取得の際、第三者に個人情報が提供される旨を分かりやすく告知する必要があると考えるが政府の見解を明らかにされたい。 三 大阪・関西万博の電子チケット購入者が第三者への個人情報の提供を拒めるのか。拒める場合はその手続方法を明らかにされたい。 四 紙のチケット購入者が来場日の予約や変更を行うために万博IDに登録する場合、個人情報が第三者に提供される場合がある旨が十分に周知されているとは言えない。万博IDに登録すると個人情報が外国政府などの第三者へ提供される場合がある旨を周知する必要があると考えるが政府の見解を示されたい。 五 第三者への個人情報の提供を望まないが、電子チケットで大阪・関西万博への入場を希望する者もいると考えられるため、「個人情報の第三者への提供」と「個人情報保護方針」を分けて同意を求める必要があると考える。「個人情報の第三者への提供」に同意しない場合でも電子チケットの購入ができるようにするべきだと考えるが政府の見解を明らかにされたい。 六 大阪・関西万博の入場者の個人情報が外国政府にも提供されることの是非について政府の見解を明らかにされたい。 右質問する。 |