質問主意書

第216回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一六第六五号
  令和七年一月十日
内閣総理大臣臨時代理        
国務大臣 林 芳正


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員齊藤健一郎君提出脱衣所・浴室で冬場に多く発生する事故に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員齊藤健一郎君提出脱衣所・浴室で冬場に多く発生する事故に関する質問に対する答弁書

一について

 平成二十四年度及び平成二十五年度の厚生労働科学研究費補助金による循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業「入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究」(以下「本件研究」という。)において、「入浴事故に関連する三学会(日本温泉気候物理医学会、日本救急医学会、日本法医学会)が合同して研究班を立ち上げ、実態把握、原因究明と予防対策に関する検討を進め」、「三学会が調査研究の結果を討議し、以下のコンセンサスを得た。入浴中急死には以下の複数の機序が関与する・・・。①器質的疾患(脳血管障害、急性冠症候群)のために入浴中に心肺停止となり、あるいは意識障害を発症して出浴困難となり、溺水あるいは高体温のためにショックとなり死亡する。②非器質的疾患(日本救急医学会:熱中症、:日本法医学会:アルコール・眠剤、日本気候温泉物理医学会:血圧低下)により意識障害が誘発され、出浴困難となり、溺水あるいは高体温のためにショックとなり死亡する。」とされているところ、これ以上のお尋ねの「分析」は行われておらず、「どちらの事故が多いのか」の「政府の分析と見解」をお示しすることは困難である。

二について

 御指摘の「国民へ具体的な説明を今一度示すべき」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「熱中症」が「要因」の「入浴事故」に関しては、本件研究において、「高温・長時間入浴による死亡事故」として「高体温や出浴時の脳血流減少などによる意識障害」の危険性等を記載したパンフレット「気をつけて!冬のお風呂の死亡事故」を作成し、厚生労働科学研究成果データベースのホームページにおいて公表するとともに、消費者庁のホームページにおいて、当該パンフレットの内容を引用しつつ、「年末年始に増加する高齢者の事故に注意しましょう!―浴室での溺水事故、餅による窒息事故、掃除中・除雪中の転倒・転落事故等に注意―」と題する注意喚起を行うなどしており、今後とも、必要な周知に努めてまいりたい。