質問主意書

第216回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一六第五四号
  令和七年一月十日
内閣総理大臣臨時代理        
国務大臣 林 芳正


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員浜田聡君提出アイヌを先住民族としたことに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出アイヌを先住民族としたことに関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「アイヌへの特別優遇などアイヌに限定した政策」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、アイヌの人々に関する施策は、アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律(平成三十一年法律第十六号。以下「アイヌ施策推進法」という。)に基づき、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、及びその誇りが尊重される社会の実現を図り、もって全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的として実施しており、法の下の平等を定める憲法第十四条に反するものではないと認識している。

二について

 御指摘の「先住民族の権利に関する国際連合宣言」は、法的拘束力を有するものではなく、政府としては、当該宣言の内容について網羅的に国内措置を講ずる観点からの検討は行っていない。その上で、当該宣言において記載されている「自決の権利」については、憲法との課題整理を図る必要があること等から、アイヌ施策推進法及び関連法令に規定することは慎重に考える必要があると認識している。

三について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではなく、また、「倭民族、熊襲民族、隼人民族及び琉球民族」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。

四について

 お尋ねの「アイヌ民族であることを認定する基準」の意味するところが明らかではないが、例えば、北海道庁が実施しているアイヌの人々の子弟に対する修学資金の貸付けに当たっては、アイヌの人々であることの確認に当たり、公益社団法人北海道アイヌ協会の理事長等の推薦書の提出を求めていると承知しているところ、同協会においては、戸籍等の客観的な資料を基にしながらアイヌの人々であることを確認した上で推薦書を作成しているものと承知しており、同庁において、当該推薦書を踏まえ、適切に認定を行うものと認識している。