第216回国会(臨時会)
内閣参質二一六第五〇号 令和七年一月十日 内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 林 芳正
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員小西洋之君提出公職の候補者が他の候補者の選挙運動を行う場合の公職選挙法違反等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員小西洋之君提出公職の候補者が他の候補者の選挙運動を行う場合の公職選挙法違反等に関する質問に対する答弁書 一について お尋ねについては、一般論として申し上げれば、例えば、選挙運動のために使用するビラの内容が公職選挙法(昭和二十五年法律第百号。以下「法」という。)第百四十二条第七項に規定する証紙を貼っていない他の候補者のための投票依頼である場合、街頭演説として法第百六十四条の五第二項に規定する標旗を掲げていない他の候補者のための投票依頼をする演説を行った場合、選挙運動のために使用する自動車又は拡声機により法第百四十一条第五項に規定する表示をしていない他の候補者のための投票依頼をした場合、新聞広告の内容が公職選挙法施行規則(昭和二十五年総理府令第十三号)第二十条第一項に規定する新聞広告掲載証明書を提出していない他の候補者のための投票依頼である場合、法第百六十八条第一項に規定する選挙公報の掲載文の内容が他の候補者のための投票依頼である場合、選挙運動のために使用するポスターの内容が法第百四十四条第二項に規定する証紙を貼っていない他の候補者のための投票依頼である場合、政見放送の内容が他の候補者のための投票依頼である場合、個人演説会において法第百六十四条の二第二項に規定する表示をした立札又は看板の類の掲示のない他の候補者のための投票依頼をした場合があると考えている。 このほか、例えば、選挙運動のために使用する通常葉書にもその数に制限が設けられており、御指摘の「その態様によっては公職選挙法上の数量制限などに違反するおそれがある」ものと考えるが、いずれにしても、個別の行為等が法の規定に該当するか否かについては、具体の事実に即して判断されるべきものと考える。 二の前段について お尋ねの「公職選挙法上の数量制限など」に関連する規定については、例えば、選挙運動のために使用するビラについては法第百四十二条第一項から第四項まで及び第六項から第九項までに、街頭演説については法第百六十四条の四から第百六十四条の七まで、第百六十五条の二及び第百六十六条に、選挙運動のために使用する自動車及び拡声機については法第百四十一条第一項から第六項まで、第百四十一条の二及び第百四十一条の三に、新聞広告については法第百四十九条第一項から第五項までに、選挙公報については法第百四十二条第一項及び第四項、第百六十八条、第百七十二条並びに第百七十二条の二に、選挙運動のために使用するポスターについては法第百四十三条第一項、第三項から第九項まで及び第十一項から第十三項まで、第百四十三条の二、第百四十四条、第百四十四条の二第五項、第七項及び第八項、第百四十四条の四並びに第百四十五条に、政見放送については法第百五十条第一項、第三項、第六項及び第九項、第百五十条の二並びに第百五十一条の五に、個人演説会については法第百六十一条第一項、第百六十一条の二から第百六十三条まで、第百六十四条の二第一項から第五項まで、第百六十四条の三、第百六十四条の四、第百六十五条の二及び第百六十六条に、選挙運動のために使用する通常葉書については法第百四十二条第一項、第二項及び第五項にそれぞれ規定されている。 二の後段について お尋ねの「罰則」に係る規定については、例えば、選挙運動のために使用するビラについては法第二百四十三条第一項第三号に、街頭演説については同項第八号の四及び第八号の六から第十号まで並びに法第二百四十四条第一項第五号の二及び第六号に、選挙運動のために使用する自動車及び拡声機については法第二百四十三条第一項第二号から第二号の三まで及び第二百四十四条第一項第二号に、新聞広告については法第二百四十三条第一項第六号及び第七号並びに第二項に、選挙公報については同条第一項第三号に、選挙運動のために使用するポスターについては同項第四号及び法第二百四十四条第一項第三号に、政見放送については法第二百三十五条の四第二号に、個人演説会については法第二百四十三条第一項第八号の二、第八号の三、第九号及び第十号並びに第二項並びに第二百四十四条第一項第三号に、選挙運動のために使用する通常葉書については法第二百四十三条第一項第三号にそれぞれ規定されている。 また、選挙権及び被選挙権の停止については、法第十一条第一項第五号及び第二項並びに第二百五十二条第一項、第二項及び第四項に規定されている。 三について お尋ねについては、具体の事実に即して判断されるべきものであり、御指摘の与件のみに基づいて一概にお答えすることは困難であるが、一般論として、法に違反する行為に関し、刑法(明治四十年法律第四十五号)第一編第十一章に規定する共犯に関する規定の適用が排除されるものではなく、二の後段についてで述べた選挙権及び被選挙権の停止に係る規定が適用される場合には、選挙権及び被選挙権が停止され得ると考えている。 四について お尋ねの「検討など」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「公職選挙法の改正」は、選挙運動の在り方の問題であり、選挙制度の根幹に関わる事柄であることから、その「必要性」も含め、各党各会派において御議論いただくべきものと考えている。 五について お尋ねについては、捜査機関の活動内容に関わる事柄であり、お答えすることは差し控えたい。 |