質問主意書

第216回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一六第四七号
  令和七年一月七日
内閣総理大臣 石破 茂


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員石垣のりこ君提出国民健康保険料(税)の資産割に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石垣のりこ君提出国民健康保険料(税)の資産割に関する質問に対する答弁書

一について

 国民健康保険制度については、御指摘の「被用者保険」の制度と異なり、所得の比較的少ない者も被保険者となること等を踏まえ、「国民健康保険料(税)」の徴収に当たり、主に農山漁村地域等の市町村を念頭に、被保険者間における負担の公平性等の観点から、「所得割」を補完する役割を果たす「資産割」も含めた「賦課方法」を用いることができることとしているものであり、「被用者保険」の制度とは同列に論ずることはできず、御指摘のように「公的医療保険における公平性に欠ける」とは考えていない。

二について

 お尋ねについては、令和元年十月三十日の衆議院厚生労働委員会において、政府参考人が「御指摘の資産割でございますけれども、・・・自治体において把握可能であることから、固定資産税額をもとに算定することとしたものでございます」と答弁しているとおりである。

三について

 御指摘の「二重課税」については、令和四年十一月十日の参議院財政金融委員会において、政府参考人が「いわゆるこの二重課税という言葉につきまして、講学上確定した定義があるわけではございませんが、一般には、同一の課税対象に対して同種の税が再度課税されることを意味する場合が多いものと承知をいたしております」と答弁しているところ、御指摘のように「「資産割」の額を算出」し、「国民健康保険料(税)」を徴収することは、国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第七十六条第一項又は地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第七百三条の四第一項の規定に基づき、市町村が国民健康保険事業に要する費用に充てるために行われるものであり、固定資産税の徴収とは、その趣旨や性格が異なり、「同種の税が再度課税される」わけではなく、「二重課税」に当たるとは考えていない。

四について

 お尋ねについては、「令和四年度国民健康保険事業年報」において、御指摘の「自治体数及びその被保険者数」及び「廃止した自治体数」としては集計していないが、市町村(保険者である市町村及び広域連合の構成市町村をいい、特別区を含む。以下同じ。)の数及びその「課税対象被保険者数」について言えば、令和四年四月一日時点のこれらの数に基づき集計したところ、「医療給付費分」の「国民健康保険料(税)」において、お尋ねの「「資産割」を採用している」市町村の数及びその「課税対象被保険者数」は、それぞれ、四百及び二百十九万七千百七十九人、「採用していない」市町村の数及びその「課税対象被保険者数」は、それぞれ、千三百四十一及び二千三百七十六万六千六百八十六人であり、また、「過去五年間で「資産割」を廃止した」市町村の数は六百三十八である。

五について

 一についてでお答えしたとおり、国民健康保険制度において、御指摘の「資産割」は、「国民健康保険料(税)」の徴収に当たり一定の役割を果たしており、また、四についてでお答えしたとおり、実際に「資産割」を用いている市町村は相当数あることから、御指摘のように「「資産割」は廃止すべき」とは考えていない。