第216回国会(臨時会)
内閣参質二一六第四五号 令和七年一月七日 内閣総理大臣 石破 茂
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員紙智子君提出アイヌ施策推進法の見直しに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員紙智子君提出アイヌ施策推進法の見直しに関する質問に対する答弁書 一について お尋ねについては、令和六年の秋以降に、アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律(平成三十一年法律第十六号。以下「アイヌ施策推進法」という。)の施行の状況についてアイヌの人々等に説明した上で、アイヌの人々の意見等を広く伺う意見交換会を北海道内の各地及び東京都において開催してきたところ、今後も引き続き同意見交換会を開催するとともに、アイヌ施策推進法の施行の状況や、今後講ずる措置についての検討を行い、その後、当該検討の結果を、内閣府特命担当大臣(アイヌ施策)を座長とするアイヌ政策推進会議に報告することを予定している。 二について お尋ねについては、アイヌの人々に対する差別の解消のためには、アイヌの歴史や文化の魅力について、国民の理解を深めることが重要と考えており、関係省庁が連携して、アイヌの歴史や文化に関する教育活動の推進、アイヌ政策推進交付金等による全国各地でのアイヌの歴史や文化に関するイベントの開催への支援、アイヌ施策推進法第二条第三項に規定する民族共生象徴空間(以下「民族共生象徴空間」という。)におけるアイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統及び文化に関する知識の普及啓発、各種人権啓発活動や人権に関する相談などの実施等、各般の取組を進めている。 三の1について 政府としては、アイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統及びアイヌ文化が置かれている状況に鑑み、「アイヌ施策の総合的かつ効果的な推進を図るための基本的な方針」(令和元年九月六日閣議決定)において、アイヌの人々が抱える課題の解決を図るために必要な取組として、「政府は、存続の危機にあるアイヌ語の復興に向けた取組・・・に今後とも一層努める」としており、この方針に沿って当該取組を進めていく考えである。 三の2について 文化庁において、市町村等への支援を通じたアイヌ語の学習に活用可能なアイヌ語アーカイブの作成及び公益財団法人アイヌ民族文化財団を通じたアイヌ語の指導者や話者の育成、民族共生象徴空間におけるアイヌ語体験プログラムの実施等に継続して取り組んでいるところである。また、今後については、お尋ねの「今後の育成計画」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、こうした取組を着実に進めていくとともに、そのために必要な予算の確保に努めてまいりたい。 |