質問主意書

第216回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一六第三八号
  令和七年一月七日
内閣総理大臣 石破 茂


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員髙良鉄美君提出在日米軍構成員による犯罪事件及び事故並びにその防止策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員髙良鉄美君提出在日米軍構成員による犯罪事件及び事故並びにその防止策に関する質問に対する答弁書

一及び五の後段について

 お尋ねの「リバティー制度の見直し」については、令和六年九月十六日付けで、在日米軍司令部が、見直し後の同制度の運用を同年十月一日から開始する旨を発表し、見直し後の同制度の下では、在日米軍の全ての軍種の軍人について、例えば、午前一時から午前五時までの間、自宅やホテルを除く在日米軍施設及び区域外における飲酒を禁止するとともに、在日米軍施設及び区域外において酒類を提供する飲食店への入店を禁止するほか、在日米軍司令官の監督責任を強化するものであると承知している。在日米軍による自主的措置である同制度については、その適用対象を含め、これ以上の詳細についてお答えすることは差し控えたい。

二について

 アメリカ合衆国軍隊の構成員若しくは軍属又はそれらの家族による事件又は事故は本来起きてはならないものであり、政府としては、米側に対して、綱紀粛正等を随時働きかけており、その防止に向けて、引き続き、米側とともに取り組んでまいりたい。

三について

 お尋ねの「事件、事故の罪名と件数」の具体的に意味するところが明らかではないため、網羅的にお答えすることは困難であるが、例えば、令和六年十月一日から同年十一月三十日までの間において、警察が検挙したアメリカ合衆国軍隊の構成員による警察の犯罪統計の区分における刑法犯に係る検挙罪名及び検挙件数(暫定値)について、犯罪が発生した都道府県別にお示しすると、次のとおりである。

東京都

暴行罪 一件

山口県

傷害罪 一件

福岡県

暴行罪 一件

長崎県

暴行罪 一件

沖縄県

失火罪 一件

住居侵入罪 三件

公然わいせつ罪 一件

傷害罪 二件

暴行罪 三件

窃盗罪 一件

器物損壊等罪 三件

 また、令和六年十月一日から同年十一月三十日までの間において、警察が検挙したアメリカ合衆国軍隊の構成員による警察の犯罪統計の区分における特別法犯に係る検挙罪名及び検挙件数(暫定値)については、犯罪が発生した都道府県別の数値は把握していないが、検挙した都道府県警察別にお示しすると、次のとおりである。

青森県警察

麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)違反 五件

沖縄県警察

火薬類取締法(昭和二十五年法律第百四十九号)違反 一件

麻薬及び向精神薬取締法違反 二件

 また、令和六年十月一日から同年十一月三十日までの間において、警察が検挙したアメリカ合衆国軍隊の構成員による道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)違反事件の検挙件数について、警察庁として把握している限りで、検挙した都道府県警察別にお示しすると、次のとおりである。

青森県警察 二件

広島県警察 一件

山口県警察 一件

沖縄県警察 六件

 また、令和六年十月一日から同年十一月三十日までの間において、アメリカ合衆国軍隊の構成員による交通事故(人の死傷を伴うものに限る。)の検挙罪名及び発生件数について、警察庁として把握している限りで、当該交通事故が発生した都道府県別にお示しすると、次のとおりである。

東京都

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(平成二十五年法律第八十六号)違反 一件

沖縄県

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律違反 一件

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律違反及び道路交通法違反 一件

四について

 いわゆる交通反則切符により処理した道路交通法違反事件について、令和五年における反則金が納付され、又は反則金に相当する金額が仮納付された件数をいわゆる交通反則切符により処理した件数で除して得た率は、約九十九パーセントである。

 その余のお尋ねについては、お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

五の前段について

 お尋ねについては、先の答弁書(令和二年六月十九日内閣参質二〇一第一四二号)六及び七についての前段及び中段でお答えしたとおりである。

六について

 お尋ねの「米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキング・チーム(CWT)」については、これまでに、平成十二年十月十日、同月二十六日、同年十一月十三日、同月三十日、同年十二月二十日、平成十三年二月二十日、同年六月七日、同年十二月十九日、平成十四年四月二十四日、同年九月二十日、平成十五年五月二十八日、平成十六年七月二十一日、平成十七年八月三十一日、平成十八年八月三十一日、平成十九年八月二十九日、平成二十年三月七日、同年九月十一日、平成二十一年七月二十八日、平成二十二年六月十四日、平成二十四年三月二十八日、平成二十五年三月一日、平成二十六年三月四日、平成二十七年三月十八日、平成二十八年四月十九日及び平成二十九年四月十一日に開催している。次回の開催については、何ら決まっていない。

七について

 お尋ねの「フォーラム」については、その開催に向け、これまで沖縄県と米側との間で繰り返し意見交換が行われてきているものであり、お尋ねの「開催の見通し」を含む詳細についてお答えすることは差し控えたい。

八について

 お尋ねについては、例えば、令和六年九月に、米第三海兵遠征軍及び米海兵隊太平洋基地が、飲酒運転の防止のための取組として、検問強化、教育プログラム等を実施している旨を発表したと承知している。

九について

 お尋ねの「令和六年度の稼働台数、隊員数」及び「在日米軍構成員による事件及び事故防止に資する活動実績」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねの「沖縄・地域安全パトロール隊」(以下「パトロール隊」という。)については、「沖縄県における犯罪防止に関する対策について」(平成二十八年六月三日沖縄県における犯罪抑止対策推進チーム決定)に基づき、沖縄県における犯罪抑止を目的として創設されたものであり、パトロール隊の実施する防犯パトロールは特定の者を対象に行うものではないところ、パトロール隊の現時点での活動については、一日につき、延べ百台の車両が稼働し、延べ二百名の非常勤職員等がパトロール隊の業務に従事しており、また、沖縄・地域安全パトロール事業の令和六年度予算額については、約四億二千五百万円である。