第216回国会(臨時会)
内閣参質二一六第一九号 令和六年十二月二十日 内閣総理大臣 石破 茂
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員石垣のりこ君提出政治資金収支報告書に添付される領収書等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員石垣のりこ君提出政治資金収支報告書に添付される領収書等に関する質問に対する答弁書 一について お尋ねの「振込明細書やクレジットカードの支払明細書等を領収書に準ずるものとして」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号。以下「法」という。)第十二条第二項の規定により、政治団体の会計責任者は、政治資金収支報告書を提出するときは、領収書等(法第十一条第一項に規定する当該支出の目的、金額及び年月日を記載した領収書その他の支出を証すべき書面をいう。以下同じ。)の写しを併せて提出しなければならないが、領収書等を徴し難い事情があったときは、その旨並びに当該支出の目的、金額及び年月日を記載した書面又は当該支出の目的を記載した書面及び振込明細書の写しを併せて提出しなければならないこととされている。 二について お尋ねの「まとめて記載することは禁止すべき」及び「支払明細書等を公開すべき」の意味するところが必ずしも明らかではないが、総務省が平成二十年十一月に公表し、平成二十二年八月及び平成二十七年十二月に改訂した「国会議員関係政治団体の収支報告の手引」において、「クレジットカードの利用により物品を購入した場合」の政治資金収支報告書の記載方法については、「収入及び支出に関する事実関係に即して収支報告していただく観点から、」「物品を購入した時点で、」「当該支出相当分を支出に計上するとともに、」「同額を収入(その他の収入)に「金銭以外のものによる支出相当分」として計上」し、「その後、カード会社に支払った時点で、その分を支出に計上」する方法をお示ししている。 また、「「一括払い」の場合には、」「現金と同等に広く利用されていること」及び「クレジットカードの利用から支払いまでの期間が短期間であることから、クレジットカードにより、物品・・・を購入した時点で、支出の目的ごとに支出額を計上するだけで差し支えない」旨及び「クレジットカードを利用した際に発行される書面(支出の目的、金額及び年月日が記載されたもの)を領収書等として取り扱うこととしても差し支えない」旨もお示ししている。 三について 政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治団体に係る政治資金の収支の公開等の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与するという法の目的に加え、政治資金収支報告書に関して法において総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会に与えられている権限は、法第三十一条に規定されているとおり、政治資金収支報告書に形式上の不備があり、又はこれに記載すべき事項の記載が不十分であると認めるときは、当該報告書を提出した者に対して、説明を求め、又は当該報告書の訂正を命ずることができる形式審査権のみであることを踏まえ、領収書等の写しが政治資金収支報告書に併せて提出されなかったとしても、実務上、当該報告書を受け付けない取扱いとはしていない。 なお、法第十二条第二項に規定する「領収書等を徴し難い事情」とは、事実上又は社会通念上客観的に領収書等を徴することが困難な場合が該当するものと解され、一般に、一度発行された領収書の紛失は、「領収書等を徴し難い事情」には含まれないと考えられる。 |