第216回国会(臨時会)
質問第五〇号 公職の候補者が他の候補者の選挙運動を行う場合の公職選挙法違反等に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和六年十二月二十三日 小西 洋之
参議院議長 関口 昌一 殿 公職の候補者が他の候補者の選挙運動を行う場合の公職選挙法違反等に関する質問主意書 政府は、令和六年十二月三日の参議院本会議において「公職の候補者が他の候補者の選挙運動を行う場合には、その態様によっては公職選挙法上の数量制限などに違反するおそれがあるものと考えています」と答弁し、同年十二月十八日の衆議院総務委員会において「公職の候補者が他の候補者の選挙運動を行う場合には、それぞれの候補者が認められている範囲内で行われる必要がありまして、その態様によっては公職選挙法上の数量制限などに違反するおそれがあるというふうに考えてございます」と答弁している。 これを踏まえ、以下質問する。 一 参議院本会議の質問は私が先に総務省自治行政局選挙部選挙課に確認し理解した公職選挙法の解釈(なお、選挙の公明及び適正並びに民主政治の健全な発達の確保等のために本年十一月十九日にSNSのX(旧ツイッター)で公表した)を基に同僚議員の質疑を補佐したものであるが、一般論として、政府として「その態様によっては公職選挙法上の数量制限などに違反するおそれがある」ものについてどのようなものがあると考えているか、選挙運動用ビラ、選挙管理委員会より交付される標旗、選挙運動用自動車(いわゆる選挙の街宣車)、拡声器、新聞広告、選挙公報、ポスター、政見放送、街頭演説、個人演説会のそれぞれについて(衆議院総務委員会での選挙運動用ビラ、標旗の例のように)具体的に説明されたい。 なお、これら以外のものについて、政府として、「その態様によっては公職選挙法上の数量制限などに違反するおそれがある」と考えるものがあれば摘示した上で、理由を具体的に説明されたい。 二 前記一で例示した選挙運動用ビラから個人演説会までのもの及び前記一への答弁で政府が摘示したものについて、「公職選挙法上の数量制限など」の根拠条文をそれぞれ示されたい。また、当該根拠条文に違反した場合の罰則に係る根拠条文も併せて示すとともに、当該罰則に関して公民権停止がある場合はその根拠条文も示されたい。 三 前記一及び二に関して、一般論として、公職の候補者Bが他の候補者Aの選挙運動を行い、その態様が公職選挙法上の数量制限などに違反する場合において、当該候補者Aに刑法の共犯が適用されることは排除されていないと理解して良いか。要するに、当該候補者Aが当該候補者Bの公職選挙法違反(罪)について共犯の関係にある時は候補者Aにも犯罪が成立し得るものであり、更に、それについて裁判で定まる刑罰によっては候補者Aが公民権停止となることもあり得るのか。 四 私は、本年の十一月十七日が投票日であった兵庫県知事選挙について、NHKから国民を守る党の党首である立花孝志候補が当該選挙に当選した斎藤元彦候補の選挙運動を行い公職選挙法に違反していたのではないかとの問題意識に基づき、こうした違法行為が放置され繰り返されれば(立花氏は他の選挙についても、他の候補の選挙運動を行う意味と解される「二馬力」を行うなどと発言している)、我が国の選挙の公明及び適正が失われひいては我が国の民主主義そのものが毀損するとの国会議員としての危機感及び責任感から、前記の参議院本会議質疑の補佐によって政府答弁を引き出すとともに、十一月二十八日に参議院法制局と「公職の候補者が他の候補者の選挙運動を行う場合」に対処するための公職選挙法の改正の検討の議論を実施し、更には、十二月二日の衆議院の第四控室で開かれた立憲民主党の政治改革推進本部の総会において公職選挙法の改正の検討を党として組織的に行うべきと発言等しているところ、政府として「公職の候補者が他の候補者の選挙運動を行う場合」に関する何らかの公職選挙法の改正の必要性を認識しているか、また、その検討などを行っているのか。 五 本年の十一月十七日が投票日であった兵庫県知事選挙において、NHKから国民を守る党の党首である立花孝志候補が当該選挙に当選した斎藤元彦候補の選挙運動を行い、公職選挙法上の数量制限などに違反しているのではないかについて、かつ、立花氏の当該違反行為に斎藤元彦氏が刑法の共犯の関係にあるのではないかについて警察や検察は捜査等を行っているのか、仮に、捜査等を行っていないのであればその理由を示されたい。 右質問する。 |