第216回国会(臨時会)
質問第四九号 「原子力災害対策指針」の一部改正に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和六年十二月二十三日 山本 太郎
参議院議長 関口 昌一 殿 「原子力災害対策指針」の一部改正に関する質問主意書 二〇二二年七月の「原子力災害対策指針」の一部改正では、放射線防護対策の対象について、原子力災害時に防災業務に関わる「防災業務関係者」から「緊急事態応急対策に従事する者」に置き換え、明確化を図った。その上で、「被ばくの可能性がある環境下で緊急事態応急対策に従事する者については、その活動内容に応じて、当該者が属する組織が放射線防護に係る指標を定めるものとする。」と規定した。 また、指標の設定に当たっては、放射線業務従事者の平時における被ばく限度(実効線量五十ミリシーベルト)を参考とすることを基本とし、人命救助等緊急やむを得ない活動に従事する場合に限り、緊急作業に従事する者の被ばく限度(実効線量百ミリシーベルト)を参考とする旨規定した。すなわち、避難者の輸送を支援する民間バス会社の運転手の放射線防護に係る指標については、一般公衆の被ばく限度(実効線量一ミリシーベルト)ではなく、原発労働者など放射線業務従事者と同じ被ばく限度を適用するとの考え方が示された。 以上を踏まえて、以下質問する。 一 二〇二二年七月の「原子力災害対策指針」の一部改正の際、同年三月三十日の第七十五回原子力規制委員会への指針改正案提出に先立ち、政府は関係省庁や自治体に対してどのようなかたちで意見照会を行ったか示されたい。 二 前記意見照会に際して、民間バス会社などを管轄する国土交通省は、指針改正案についてどのような意見を述べたのか示されたい。また、その意見は指針改正にどのように反映されたか示されたい。 三 前記意見照会に際して、消防庁は指針改正案についてどのような意見を述べたのか示されたい。また、その意見は指針改正にどのように反映されたか示されたい。 四 前記意見照会に際して、指針改正案について自治体からはどのような意見が寄せられたのか示されたい。また、その意見は指針改正にどのように反映されたか示されたい。 五 「原子力災害対策指針の改正(防災業務関係者の放射線防護対策等)」(令和四年七月六日原子力規制庁)の三十四ページには、「緊急事態応急対策に従事する者が属する組織が、同対策に従事する者の被ばく線量の管理について責任を有し、必要に応じて業務の実施後の健康管理に配慮する旨を求める。」と記載されているが、政府には緊急事態応急対策に従事する者の被ばく線量の管理や業務実施後の健康管理に配慮する責任がないのか。政府には責任がないと答弁する場合、その理由を明確に示されたい。 右質問する。 |