第216回国会(臨時会)
質問第三八号 在日米軍構成員による犯罪事件及び事故並びにその防止策に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和六年十二月十九日 髙良 鉄美
参議院議長 関口 昌一 殿 在日米軍構成員による犯罪事件及び事故並びにその防止策に関する質問主意書 二〇二三年十二月、沖縄本島中部の公園において、米軍嘉手納基地所属の空軍兵長が十六歳未満の少女を連れ去り、性的暴行を加える重大犯罪事件を起こした。この事件の後にも、沖縄県内で米軍構成員が相次いで性犯罪事件を起こしていたことが明らかになっている。この事態を受けて、二〇二四年十月一日に在日米軍は、基地外での兵士の行動を規制する「リバティー制度の見直し」を行ったとされている。これらを踏まえて、以下質問する。 一 今回の「リバティー制度の見直し」の詳細な内容について、政府の承知しているところを明らかにされたい。 二 「リバティー制度の見直し」では、午前一時から午前五時までの間、基地外のバーや居酒屋などの飲酒できる施設への出入りや、基地外の公共の場での飲酒を禁じているが、泥酔した米軍構成員が基地外で事件や事故を起こす可能性は依然として残る。実際、十一月二日午前二時頃、二十一歳の米軍構成員が飲酒後、那覇市内の学校法人のドアのガラスを割って侵入した事件が発生している。「リバティー制度の見直し」後も、このような事件が発生し続けていることに対する政府の見解と対応策を示されたい。 三 「リバティー制度の見直し」以降も在日米軍構成員の飲酒運転摘発が続いている。「リバティー制度の見直し」以降に在日米軍構成員が起こした事件、事故の罪名と件数を都道府県別に明らかにされたい。 四 これまでに在日米軍構成員に課された道路交通法違反による反則金の総額と、その納付状況(納付者の人数と納付額及び不納付者の人数と不納付額)を明らかにされたい。また、反則金不納付者のうち、本国へ帰国するなど海外へ出国し居所が不明となったために不納付となっている者の人数を明らかにした上で、在日米軍構成員の反則金の納付率を示されたい。また、最新の統計における道路交通法違反による反則金の納付率も併せて示されたい。 五 在日米軍構成員の中には、基地外の民間賃貸住宅等に居住する者が存在するが、その世帯数と人数を明らかにされたい。明らかにしない場合は、その理由を示されたい。また、それらの者に対してリバティー制度は適用されているのか。政府の承知しているところを明らかにされたい。 六 「米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキングチーム(CWT)」の開催状況と今後の開催の見通しを明らかにされたい。 七 在日米軍司令部は、日本政府と連携して在日米軍の幹部や沖縄県、地域住民による「フォーラム」を創設すると表明している。同フォーラムについて政府の承知していること及び開催の見通しを明らかにされたい。 八 在日米軍は、米軍施設を出入りする際の飲酒検問の頻度を増やすなど、パトロールを強化する方針も明らかにしているが、その詳細と実施状況について、政府の承知しているところを示されたい。 九 沖縄・地域安全パトロール隊について、令和六年度の稼働台数、隊員数及び予算額を示されたい。また、沖縄・地域安全パトロール隊創設の意義、在日米軍構成員による事件及び事故防止に資する活動実績について、政府の見解を示されたい。 右質問する。 |