質問主意書

第216回国会(臨時会)

質問主意書

質問第三二号

投票権のない外国籍市民の投票が有効となったことに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和六年十二月十七日

浜田 聡


       参議院議長 関口 昌一 殿



   投票権のない外国籍市民の投票が有効となったことに関する質問主意書

 令和六年十月二十七日に執行された衆議院議員総選挙について、神奈川新聞が以下のように取り上げている。

「神奈川県の綾瀬市選挙管理委員会は二十六日、衆院選と最高裁判所裁判官国民審査の期日前投票で、投票権のない外国籍の市民に投票用紙を交付するミスがあったと発表した。市選管によると、外国籍の市民は二十四日に期日前投票所を訪れ、期日前投票用請求書兼宣誓書に記入した上で投票を済ませた。係員は宣誓書を基に生年月日をシステムで検索。別人の有権者が表示されたが、確認不足のまま本人と思い込んだ。投票済みとされた有権者が二十六日に期日前投票所を訪れ、ミスが発覚した。この有権者も投票を済ませ、外国籍の市民の投票とともにいずれも有効となるという。」

 私の事務所から綾瀬市選挙管理委員会に問い合わせたところ、記事は事実であることが確認できた。

 公職選挙法第四十四条第二項は、「選挙人は、選挙人名簿又はその抄本(中略)の対照を経なければ、投票をすることができない。」と規定している。また、公職選挙法第二百三十七条第一項は、「選挙人でない者が投票をしたときは、一年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。」、同条第二項は、「氏名を詐称しその他詐偽の方法をもつて投票し又は投票しようとした者は、二年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。」と規定している。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 投票権のない外国籍市民の投票が有効となったことについて、政府の見解を示されたい。

二 公職選挙法第四十四条第二項には「選挙人は、選挙人名簿又はその抄本(中略)の対照を経なければ、投票をすることができない。」と規定されている。しかし、期日前投票の際、実際には投票券・身分証明書を持参せずとも投票可能であることについて、政府の見解を示されたい。

三 私の事務所から総務省に対して、投票の際にはマイナンバーカード等、身分証明書の提示を義務付ける必要性について質問したところ、「投票所における本人確認の方法として身分証明書の提示を義務付けることについては、国会議員の選挙の投票の方法等は法律で定めることとしている憲法四十七条等の趣旨に照らして、法律の根拠が必要であると考えており、また、選挙権の行使に関わる事柄であることから、各党各会派においても御議論いただくべきものであると考えております。」と回答があり、投票の際の身分証明書の提示義務付けには、法改正の必要がある認識を示した。

 直ちに対策を講ずる必要があると考えるが、今後の対策について政府の見解を示されたい。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。