質問主意書

第216回国会(臨時会)

質問主意書

質問第一八号

収入や支出等について「不明」と記載された政治資金収支報告書に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和六年十二月十日

石垣 のりこ


       参議院議長 関口 昌一 殿



   収入や支出等について「不明」と記載された政治資金収支報告書に関する質問主意書

 自民党の派閥の政治資金パーティーにおける収入の一部について、パーティー券をノルマ以上に販売した議員に対して派閥から議員側に還流したにもかかわらず、政治資金収支報告書(以下「収支報告書」という。)に記載されていなかった政治資金規正法違反事案に関連し、関係する議員の多くが収支報告書の訂正を行っている。

 収支報告書を訂正した議員の中には、宣誓書に「収支の一部に不明なものがありますが、判明次第訂正します」とただし書を添えて、収入や支出等について「不明」と記載し提出している者がいる。また、「翌年への繰越額」を不明としている場合があり、今後、総額が不明のままになると、収支報告書としては非常に不適切だと考える。

 また、国会議員関係政治団体(国会議員関係政治団体であった政治団体も含む。ただし、収支報告書に記載すべき収入・支出がなかった場合はこの限りではない。)の会計責任者は、収支報告書を提出するときには、あらかじめ、収支報告書等について、政治資金適正化委員会が行う研修を修了した登録政治資金監査人(同委員会の登録を受けた弁護士、公認会計士及び税理士)による政治資金監査を受けることとされている。

 政治資金監査は、以下の四点について政治資金適正化委員会の定める具体的な指針に基づいて行うこととされている。

(1) 会計帳簿、領収書等が保存されていること

(2) 会計帳簿にその年の支出状況が記載されており、かつ、会計責任者が会計帳簿を備えていること

(3) 収支報告書は、会計帳簿及び領収書等に基づいて支出の状況が表示されていること

(4) 領収書等を徴し難かった支出の明細書等は、会計帳簿に基づいて記載されていること

 その上で、国会議員関係政治団体の会計責任者が収支報告書を提出するときには、政治資金監査の結果作成される政治資金監査報告書を併せて提出することとされているが、収支報告書の訂正後に政治資金監査を受けていない場合も見受けられる。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 国会議員関係政治団体の収支報告書の訂正に当たり、軽微な訂正ではなく、記載されていない収入や支出等が判明して訂正を行った場合などは、改めて登録政治資金監査人による政治資金監査を受け、新たに作成された政治資金監査報告書も併せて提出を求めるよう、政治資金規正法の改正を行うべきだと考えるが政府の見解を示されたい。改正の必要がないと考える場合は、その理由を明らかにされたい。

二 収入や支出等が「不明」なままでは、政治資金監査で行うとされている前記の四点の事項を満たしているとは言い難い。支出先、支出した日時、金額等が不明な支出が複数ある収支報告書については、受理すべきではないと考えるが政府の見解を示されたい。

三 前記の「不明」との記載をしている収支報告書が受理されている場合は、「不明」な収入や支出等を明らかにした状態にして再提出を求めるべきだと考えるが政府の見解を示されたい。再提出の必要がないと考える場合は、その理由を明らかにされたい。

  右質問する。