質問主意書

第216回国会(臨時会)

質問主意書

質問第一四号

NPO法人BONDプロジェクトの杜撰な報告書の説明責任を内閣府が東京都に丸投げしている可能性に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和六年十二月五日

浜田 聡


       参議院議長 関口 昌一 殿



   NPO法人BONDプロジェクトの杜撰な報告書の説明責任を内閣府が東京都に丸投げしている可能性に関する質問主意書

 特定非営利活動法人(以下「NPO法人」という。)については、内閣府ウェブサイトにおいて、NPO法人制度の概要等について仔細に説明されている。同ウェブサイトには、NPO法人の情報開示として「NPO法人制度は、自主的な法人運営を尊重し、情報開示を通じた市民の選択、監視を前提とした制度となっている点が大きな特徴です。そのため、NPO法人は、毎事業年度初めの三月以内に前事業年度の事業報告書等を作成し、全ての事務所において備置き、その社員及び利害関係者に閲覧させる義務を負います。また、条例で定めるところにより、毎事業年度一回、事業報告書等を所轄庁に提出する必要があります。」と記載されており、NPO法人に対する監督として「NPO法人制度は、情報開示を通じて、市民の選択、監視、あるいはそれに基づく法人の自浄作用による改善発展を前提とした制度であることから、さまざまなかたちで行政の関与を抑制しています。」と記載されている。

 つまり、NPO法人は、国民の選択及び監視に基づいて適正に運営されることが法の趣旨であり、所轄庁によって情報開示された事業報告書等に疑義がある場合は、所轄庁及び当該NPO法人は国民へ然るべき説明を果たす義務があると思料する。

 他方、東京都ウェブサイトで情報開示されているNPO法人BONDプロジェクトの事業報告書では、「様式にあるはずの項目が消されている」、「第九期の事業報告書で提出されている貸借対照表の貸借の数字が合っていない」等、様々な疑義がSNS上で出されている。同様に、NPO法人ぱっぷすの事業報告書では、「令和二年度の事業報告書をそのままコピーして令和三年度以降使いまわしているのではないか」、令和五年度の事業報告書について「借入金があっても「6.借入金の増減内訳」を記載していない」、「役員からの借入金があっても「7.役員及びその近親者との取引の内容」を記載していない」、「複数の事業があっても「2.事業別損益の状況」を記載していない」、「補助金を受け取っていても「4.使途等が制約された寄附金等の内訳」を記載していない」、「減価償却費が計上されていても「5.固定資産の増減内訳」を記載していない」等、情報開示されているNPO法人の書類に疑義を持つ声が散見され、さらに所轄庁が適正に管理していないのではないかという意見まで出ている。こうした状況では、NPO法人に対する不信感につながる可能性が極めて高く、当該NPO法人ないし所轄庁は疑義を解消する取組を行うべきであると考える。

 これらを踏まえて、以下質問する。

一 国民が、情報開示されたNPO法人の事業報告書を含む開示書類を閲覧し、疑義が生じた場合、当該NPO法人ないし所轄庁へ問い合わせることは差し支えないか、政府の見解を示されたい。

二 前記一について、国民からの問合せを受けたNPO法人ないし所轄庁は、当該問合せに対して説明責任を果たすべきと考えるが、政府の見解を示されたい。また、説明責任を果たす必要がないとの見解である場合、国民からの問合せを受けた際に、一般論としてNPO法人ないし所轄庁がなすべき対応について政府の見解を示されたい。

三 前記一について、問合せを受けた所轄庁が、当該NPO法人の運営が不適正である可能性があると判断した場合、どのような対応を行うことが考えられるか、考えられる対応を全て示されたい。

四 前記二について、説明責任を果たすべきとの見解の場合、問合せを受けた所轄庁が説明責任を果たさなかったと認められるときに、政府が採るべき措置を示されたい。

五 前記四に限らず、所轄庁がNPO法人に関する管理又は監督を怠っており、NPO法人が特定の個人又は法人その他の団体の利益を目的として運営されていた場合、政府としてどのような措置を講ずることが考えられるか。考え得る措置について全て示されたい。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。