第216回国会(臨時会)
質問第一一号 男性のDV被害に係る政府の取組に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和六年十二月二日 浜田 聡
参議院議長 関口 昌一 殿 男性のDV被害に係る政府の取組に関する質問主意書 近年、男性が被害者となる配偶者からの暴力(以下「DV」という。)事案が大きく増加している。 警察庁の発表では、令和五年における警察へのDV事案の相談等件数は八万八千六百十九件であり、そのうち、男性の割合は二十七・九%とされている。他方で、行政のDV対策窓口である配偶者暴力相談支援センター(以下「同センター」という。)への相談件数について、令和四年度の公表データを見ると、女性は十一・九万件程度であるのに対して、男性はわずか〇・三万件程度にとどまっており、同センターがDVに苦しんでいる男性の悩みをほとんど拾えていないことが明らかになっている。 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成十三年法律第三十一号)(以下「DV防止法」という。)の令和五年改正の際に、同年五月十日の衆議院内閣委員会において、以下の附帯決議(以下「令和五年改正時衆議院附帯決議第十一項」という。)が付されている。 「十一 DVの被害を受けた女性の約四割、男性の約六割は誰にも相談しなかったとの調査結果も踏まえ、被害者が女性の場合のみならず、被害者が男性の場合や、同性カップル間の暴力も含めDV被害者が相談しやすい体制を整備すること。」 これを踏まえ、政府の取組について以下質問する。 一 DV防止法施行以降、警察へのDV事案の相談等件数の推移を、総数及び男女別に示されたい。 二 警察へのDV事案の相談等件数における男性の相談比率と比較して、同センターへのDV被害の相談件数における男性の相談比率が著しく低い水準にとどまってきた理由について、政府はどのような原因があると分析しているのか。政府の見解を示されたい。 三 令和五年改正時衆議院附帯決議第十一項に基づき、DV被害者が男性の場合でも相談しやすい体制を整備するために、政府としてどのような施策を講じているか、また、当該施策の効果はどの程度上がっているのか。事業ごとの予算額及び事業内容を含め、具体的に示されたい。 四 DV被害の相談に関して同センターが男性のニーズをほとんど拾えていないことについて、政府が把握をしていながら、それを放置し続けてきた理由を示されたい。 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。 右質問する。 |