第216回国会(臨時会)
質問第六号 警察職員の非違事案に対する処分に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和六年十一月二十八日 野田 国義
参議院議長 関口 昌一 殿 警察職員の非違事案に対する処分に関する質問主意書 鹿児島県警察では、警察職員が逮捕される非違事案が相次いでいる。これを受け、鹿児島県警察が令和六年八月に取りまとめた「鹿児島県警察において発生した一連の非違事案の原因分析とそれを踏まえた再発防止対策について」と題する報告書では、警察職員の逮捕事案が計五件発生しているほか、前生活安全部長が国家公務員法(守秘義務)違反事件の被疑者として逮捕される事案も発生し、同人が第三者に郵送した資料に記載されていた他の非違事案(以下「一連の非違事案」という。)への鹿児島県警察の対応にも疑念の目が向けられるなど、鹿児島県警察への県民の信頼は大きく揺らいでいる旨指摘されている。 一連の非違事案に関する警察職員への処分は、地方公務員法に基づく懲戒処分である「免職」及び「停職」、「警察庁職員の懲戒の取扱に関する訓令」(昭和二十九年警察庁訓令第十四号)第十七条などの訓令に基づく「訓戒」及び「注意」(以下「訓戒等」という。)、上記のいずれにも至らない処分である「口頭厳重注意」及び「業務指導」(以下「口頭厳重注意等」という。)により行われた。 「懲戒処分の指針の改正について(通達)」(令和五年七月十三日警察庁丙人発第八十六号)では、規律違反行為の態様とそれに対応する懲戒処分の種類が示されている。一方、「訓戒等」や「口頭厳重注意等」は、こうした指針がなく、所属長の主観的な判断で実施することができ、これらの処分の妥当性には疑問が残る。警察職員の非違行為に対する処分は、国民の理解と納得が得られるものでなくてはならず、その観点から鹿児島県警察の処分内容を検証する必要があると考える。 最近、匿名・流動型犯罪グループによる凶悪な事件が発生している中、社会の安全を確保するためには、警察が国民に信頼されなければならないと考えるため、警察職員の不祥事には厳正に対処する必要がある。 以上を踏まえ、以下質問する。 一 警察庁及び鹿児島県警察が一連の非違事案に対し実施した処分は、全て適切であったと考えているのか、政府の認識を示されたい。 二 警察庁及び鹿児島県警察が一連の非違事案に対し実施した「口頭厳重注意等」の法的根拠を明らかにされたい。また、「口頭厳重注意等」が慣例的に行われているのであれば、その妥当性について政府の見解を示されたい。 三 鹿児島県警察が一連の非違事案に対し実施した「口頭厳重注意等」に相当する処分は、鹿児島県警察以外の他の都道府県警察においても実施されているのか明らかにされたい。 四 警察庁は、各都道府県警察に対し「口頭厳重注意等」を実施するよう指導しているのか明らかにされたい。 五 訓令に規定がある「訓戒等」については、懲戒処分と同様、規律違反行為の態様とそれに対応する処分を明確にし、「訓戒等」で処分すべき行為を客観的に示すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。 右質問する。 |