第215回国会(特別会)
質問第一二号 レバノンにおけるポケベル等の爆発にイスラエルが関与していたことに関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和六年十一月十四日 石垣 のりこ
参議院議長 関口 昌一 殿 レバノンにおけるポケベル等の爆発にイスラエルが関与していたことに関する質問主意書 令和六年九月十七日及び十八日、レバノンにおいて、ヒズボラが保有する数千台のポケベルと数百台のトランシーバーが相次いで爆発した。この事件について、イスラエルメディアは、イスラエルのネタニヤフ首相が令和六年十一月十日の閣議でイスラエルの関与を認めた旨報じた。報道によると、ネタニヤフ首相は「通信機器を使った作戦と、ヒズボラの最高指導者だったナスララ師の殺害については、国防当局の幹部らから反対があったが実行した」と述べたとされている。事件の後、ヒズボラはイスラエルによる犯行だと非難していたが、イスラエル政府が関与を認めたのは今回が初めてになる。このイスラエルによる攻撃によって、少なくとも民間人を含む四十二人が死亡、三千人以上が負傷している。 爆発した直後の写真や映像には、当該トランシーバーに大阪に本社を置く日本の通信機器メーカーが製造した機器の製品名ラベルが貼られている様子が写っていたが、当該メーカーは、同種の機器は十年前に製造を中止しており、爆発したのが自社製品なのか確認できていないと説明した。また、爆発したポケベルの製造元として台湾のメーカーの名前も挙がっていたが、爆発した機器を実際に製造したのはイスラエルのフロント企業だったとされ、少なくとも数年がかりで準備していたとみられている。つまり、イスラエルの企業が模倣品を製造し、日本や台湾のメーカーに濡れ衣を着せようとしていた可能性がある。 以上を踏まえて、以下質問する。 一 イスラエル政府は、令和六年九月十七日及び十八日にレバノンで発生した通信機器の爆発事件に関与していたことを認めた。一般人も含めて多くの人が犠牲になったこのような攻撃はジェノサイドだと考えるが政府の見解を示されたい。 二 政府は、前記の攻撃について、ヒズボラからの攻撃を受けてきたイスラエルによる自衛のための攻撃だと認めるのか、あるいは、一般人を巻き込む可能性が高く自衛権の範囲を大きく逸脱していると考えているのか。政府の見解を示されたい。 三 イスラエル政府が関与して日本メーカーの模倣品を製造していたとみられているが、これは日本企業に濡れ衣を着せる行為であり、日本国として許せることではない。イスラエル政府に事実関係を確認し、イスラエル政府が関与して日本メーカーの模倣品を製造していた場合は強く抗議すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。 四 爆弾を仕込んだ通信機器を敵対国で流通させて爆発させる行為は、一般人を巻き込む可能性が高く許されるものではない。政府はイスラエルに対して強く抗議すべきだと考えるが、政府の見解を示されたい。 五 前記質問に対して「事実関係の十分な把握が困難であり、我が国として、お尋ねについて、確定的に評価することは困難である」との答弁をする場合、この程度の事実関係の把握ができないようでは、安全保障上の不安を感じる。事実関係が把握できないのはいかなる理由によるのか具体的に明らかにされたい。 六 日本メーカーに濡れ衣を着せるようなことは明らかに日本の信頼を毀損し、国益を損なうことにつながる行為である。事実関係をしっかりと調査し、イスラエルが関与している事実が確認できた場合は抗議すべきだと考えるが、政府の見解を示されたい。 右質問する。 |