第215回国会(特別会)
質問第六号 地方創生の担い手である地方公務員に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和六年十一月十一日 山本 太郎
参議院議長 関口 昌一 殿 地方創生の担い手である地方公務員に関する質問主意書 石破茂総理大臣は、初代地方創生担当大臣として地方創生推進交付金を創設した。地方創生推進交付金の申請の前提となったのが、地方版総合戦略である。地方版総合戦略に関して石破茂総理大臣は、「週刊東洋経済」令和六年五月十一日号において、以下のように発言している。 「当時、自治体に五年ごとの計画書「総合戦略」を出してもらったが、東京のコンサルに頼む自治体が続出した。きれいな図表が付いていてストーリーはだいたい一緒。見栄えがよくても、自分で考えていないところは成功しなかった。」 上記発言を踏まえ、以下質問する。 一 公益財団法人地方自治総合研究所「「地方版総合戦略の策定に関するアンケート」の結果」(平成三十年三月一日)によれば、総合戦略の策定に当たって、コンサルタント等に委託をした自治体は七十七・三%であり、委託を行った理由は「職員の事務量軽減のため」が七十二・八%であった。また、国の地方創生政策(交付金事業等を含む)に関する役所全体の事務量については「大きな負担だった」が四十二・一%、「まあまあ負担だった」が五十四%であった。 国の地方創生政策に関する地方公共団体の事務量負担が重く、事務量軽減のために、地方版総合戦略の策定についてはコンサルタント等に外部委託した自治体がほとんどだった。 「自分で考えていないところは成功しなかった」という事態が生じた要因は何と考えるか政府の見解を示されたい。 二 総務省自治行政局公務員部が令和六年三月に公表した「令和五年地方公共団体定員管理調査結果」によれば、地方公共団体の職員数は、平成十七年から令和五年までの期間で、約二十四万人減少している。また、平成二十九年三月に公表した「地方公務員の臨時・非常勤職員に関する実態調査結果のポイント」及び令和五年十二月に公表した「令和五年度会計年度任用職員制度の施行状況等に関する調査結果」によれば、地方公共団体の臨時・非常勤職員数は、平成十七年から令和五年までの期間で、約二十九万人増加している。 正規職員が減少し、臨時・非常勤職員が増加している背景として、地方公共団体の歳入がひっ迫した結果、人件費削減のため定員削減が行われた一方で、行政需要は増加しており、正規職員に置き換える形で相対的に賃金が低い臨時・非常勤職員が増大したと指摘されている(国立国会図書館調査及び立法考査局「地方公務員の臨時・非常勤職員の論点」平成三十年三月十五日)。 約二十年間で地方公共団体の職員が約二十四万人減少した一方、相対的に賃金が低い有期雇用の臨時・非常勤職員が約二十九万人増加しているという状況を改善しないままで、地方公共団体が地方創生政策を自分で考えて成功できると考えるか。政府の見解を示されたい。 三 石破茂総理大臣は令和六年十月十二日、日本記者クラブ主催の七党党首討論会において、地方創生推進交付金を倍額するという自身の発言について問われ、「徹底して検証し、効果的な地方創生に使って参ります。」と述べた。また、十月四日の所信表明演説では、「地方に雇用と所得(中略)を生み出します。」とも述べている。 「効果的な地方創生」のためには、地方創生の担い手である地方公務員を増やし、現在の臨時・非常勤職員は正規職員とし、地方に雇用と所得を生み出すことが必要と考えるが政府の見解を示されたい。 四 石破茂総理大臣のいう「効果的な地方創生」を達成するために、政府は、地方公共団体が職員の待遇改善を図り、十分な人員を確保することができるよう、必要な地方財政措置を実施すべきだと考えるが、政府の見解を示されたい。 右質問する。 |