質問主意書

第215回国会(特別会)

質問主意書

質問第五号

令和六年能登半島地震に対する補正予算に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和六年十一月十一日

山本 太郎


       参議院議長 関口 昌一 殿



   令和六年能登半島地震に対する補正予算に関する質問主意書

 かつて安倍政権は、平成二十八年四月十四日に発生した平成二十八年熊本地震(以下「熊本地震」という。)の約一カ月後に補正予算を編成した。安倍元総理は、同年五月十三日の衆議院本会議において、熊本地震に対応する補正予算編成の意義について、以下のように述べた。

「熊本地震発生直後から、できることは全てやる、その決意のもとで、当初予算の予備費を活用し、全力で取り組んできましたが、四月二十三日に、地震発生後初めて熊本県を訪問した際、すさまじい地震の爪跡を目の当たりにしました。被害の甚大さに加え、避難所暮らしが長引く中で、多くの方が精神的にも肉体的にも厳しい状況に置かれている現実を改めて実感いたしました。

被災者の皆さんの不安な気持ちに寄り添いながら、今後とも先手先手で、一層機動的な対応を進めていくため、財政面からも万全を期していかなければならない。そうした思いから、直ちに平成二十八年度補正予算を編成することといたしました。」

 さらに、安倍元総理は同年五月十六日の衆議院予算委員会において、以下のように答弁した。

「本補正予算は、余震が続き、被害状況が拡大する可能性にも配慮しつつ、被災地に必要な支援を行う上での十二分の備えを整えるものであります。被災された方々が笑顔を取り戻し、安心して暮らすことができるその日がやってくるまでできることは全てやる、そうした決意で、被害状況を的確に把握しながら、財政面も含め、今後もしっかりと取り組んでまいります。」

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 安倍元総理は、熊本地震の被災地の現状を見た上で、予備費の活用に終始するのではなく、「先手先手で、一層機動的な対応を進めていくため、財政面からも万全を期」すとして、発災約一カ月後には、平成二十八年度補正予算を編成している。そして、平成二十八年度補正予算は、「余震が続き、被害状況が拡大する可能性にも配慮しつつ、被災地に必要な支援を行う上での十二分の備えを整えるもの」だと発言している。

 石破内閣としても災害対応においては、「先手先手で、一層機動的な対応を進めていくため、財政面からも万全を期していかなければならない」と考えるか。

二 熊本地震では、発災約一カ月後の五月十七日に平成二十八年度補正予算が成立している。一方、令和六年能登半島地震(以下「能登半島地震」という。)では、発災から約十カ月が経過した現在においても補正予算を編成せず、小出しに予備費を支出するという対応を繰り返している。

 能登半島地震に際しても「先手先手で、一層機動的な対応を進めていくため、財政面からも万全を期」す対応が十分にできたと評価しているか政府の見解を示されたい。

三 令和六年一月に地震が発生し、大きな被害を受けた能登半島では、当初から地震の再発による二次災害が懸念され、同年九月の令和六年奥能登豪雨で被害が拡大した。能登半島地震発災直後から「被害状況が拡大する可能性にも配慮し」て早急に補正予算を組む必要があったと考えるが、政府の見解を示されたい。

四 石破総理は令和六年十月十二日、日本記者クラブ主催の七党党首討論会において、能登半島地震への対応に関して「補正予算を組むということが、今回、一番大事だと私は思っていないのです」と発言している。

 二次災害が懸念され、被災地での復旧が長引く事態においても「補正予算を組む」ことは「一番大事」ではないというのが石破政権の考え方であるのか。

  右質問する。