質問主意書

第214回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一四第二九号
  令和六年十月十八日
内閣総理大臣 石破 茂


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出一極集中化した首都東京の災害対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出一極集中化した首都東京の災害対策に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「即座に実効性のある施策」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、石破内閣総理大臣が、令和六年十月四日の所信表明演説において、「地域の多様なステークホルダーが知恵を出し合い、地域の可能性を最大限に引き出し、都市に住む人も地方に住む人も、すべての人に安心と安全を保障し、希望と幸せを実感する社会。それが地方創生の精神です。」と述べたところであり、その実現に向け、新しい地方経済・生活環境創生本部の下で、東京圏への一極集中の是正の観点も含め、今後十年間集中的に取り組むべき施策に係る基本構想を策定することとしている。同構想の内容については、今後、同本部における議論の中で検討を進めていくこととしており、現時点でお尋ねについてお答えすることは困難である。

二について

 前段のお尋ねについて、政府としては、首都直下地震を想定した地震対策について、首都直下地震対策特別措置法(平成二十五年法律第八十八号)第四条第一項の規定に基づき策定した「首都直下地震緊急対策推進基本計画」(平成二十七年三月三十一日閣議決定)、同法第五条第一項の規定に基づき策定した「政府業務継続計画(首都直下地震対策)」(平成二十六年三月二十八日閣議決定)等に基づき、対策を推進しているところである。御指摘の「被害想定の見直し」については、「中央防災会議防災対策実行会議」に設置された「首都直下地震対策検討ワーキンググループ」において、現在、検討を行っているところである。また、南海トラフ地震を想定した地震対策については、南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法(平成十四年法律第九十二号)第四条第一項の規定に基づき策定した「南海トラフ地震防災対策推進基本計画」(平成二十六年三月二十八日中央防災会議決定、令和三年五月二十五日一部変更)等に基づき、対策を推進しているところである。御指摘の「被害想定の見直し」については、「中央防災会議防災対策実行会議」に設置された「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」において、現在、検討を行っているところである。

 後段のお尋ねについては、「東京において想定される富士山噴火や水害等による被害の現状に即したシミュレーション及びそれに基づく対策、計画策定等」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「富士山噴火」を想定した首都圏における大規模火山噴火対策については、「中央防災会議防災対策実行会議」に設置された「大規模噴火時の広域降灰対策検討ワーキンググループ」において、富士山の宝永噴火規模の噴火をモデルケースにして、複数の降灰分布を推定し、令和二年四月に報告書を取りまとめたところである。政府においては、現在、当該報告書の内容も踏まえて、首都圏における大規模火山噴火対策について更なる検討を行っているところである。また、首都圏における水害対策については、例えば、水防法(昭和二十四年法律第百九十三号)第十条第二項の規定に基づき、国土交通大臣が指定した荒川については、同法第十四条第一項の規定に基づき、国土交通大臣が同項に規定する想定最大規模降雨により同川が氾濫した場合に浸水が想定される区域を同項に規定する洪水浸水想定区域として指定しており、同法第十五条第一項の規定に基づき、当該洪水浸水想定区域に係る市町村防災会議が同区域に係る同項に規定する市町村地域防災計画において同区域における円滑かつ迅速な避難の確保等に必要な事項を定めるとともに、同条第三項の規定に基づき、同区域をその区域に含む市区町の長がハザードマップを作成し、住民に周知する等の対策を進めている。