第214回国会(臨時会)
内閣参質二一四第二〇号 令和六年十月十八日 内閣総理大臣 石破 茂
参議院議長 尾辻 秀久 殿 参議院議員塩村あやか君提出フィリピンに対する日本の技術による貢献を通じたODAの推進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員塩村あやか君提出フィリピンに対する日本の技術による貢献を通じたODAの推進に関する質問に対する答弁書 一について お尋ねについては、政府として、令和五年九月に外務省が公表した「対フィリピン国別開発協力方針」において、「「フィリピン開発計画二〇二三‐二〇二八年」が目標とする「豊かで包摂的かつ強靭な社会を実現するための経済的・社会的変革の達成」に向けて、日・フィリピン共同声明(二〇二三年二月)の着実な実施を含めた開発協力を実施しつつ、すべてのフィリピン国民が経済開発の恩恵を享受できるような生計向上及び生活利便性の改善に貢献する」ことを基本方針とし、「持続的経済成長のための基盤の強化」、「包摂的で強靭な成長のための人間の安全保障の確保」及び「ミンダナオにおける平和・安定と開発・発展の促進」を重点分野としているところである。 二について 御指摘の「日本の支援でダイオキシンを出さない環境型の焼却炉の建設計画」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、それが「ダバオ市エネルギー回収型廃棄物処理施設整備計画」を意味するのであれば、同計画については、現在、関係者間で実施に向けた協議を継続しているところであり、御指摘のように「中断している」との事実はない。 また、御指摘の「現地では、当該焼却炉がダイオキシンを出さないことについて理解が追い付いておらず」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、現地の一部の市民団体が同計画に反対しているものと承知しており、引き続き、現地の住民やこうした市民団体等に対し、フィリピン政府等の関係者と連携しながら、同計画によって整備される施設が欧州や日本における環境基準と同等の基準を満たすものであり、周辺環境への影響が抑制されることとなることについて丁寧に説明していく考えである。 三について お尋ねの「ゼネラルナカールのそうした現状」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、ゼネラルナカール市においては廃棄物の処理に係る様々な問題があると承知しているところ、御指摘の「ニーズ」については、フィリピン政府との意見交換を含む在外公館における情報収集等を通じて、現地情勢の把握に努めているところである。 四について お尋ねについては、「開発協力大綱」(令和五年六月九日閣議決定)において、「我が国が・・・構築してきた人材、知見、質の高い技術力、制度等は、開発協力を行う上での財産であり、こうした強みを活かした開発協力を行っていく」としているとおり、政府として、多様化する相手国の開発需要等も踏まえ、我が国の技術をいかしつつ環境問題等にも資する政府開発援助を実施していく考えである。 |