質問主意書

第214回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一四第一七号
  令和六年十月十八日
内閣総理大臣 石破 茂


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員浜田聡君提出自衛官募集事務に係る自治体の協力等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出自衛官募集事務に係る自治体の協力等に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「神戸市の行為」は、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第九十七条第一項及び自衛隊法施行令(昭和二十九年政令第百七十九号)第百二十条の規定に基づき自衛官又は自衛官候補生の募集に関し必要な資料を神戸市長が自衛隊兵庫地方協力本部に提出しているものと理解している。このことは、前述の法令の規定に基づいて遂行される適法な事務であると認識しており、御指摘のとおり「日本国憲法第十三条、住民基本台帳法第十一条第一項のいずれにも違反していない」と考える。

二について

 自衛官又は自衛官候補生の募集に関し必要な資料を市町村長が自衛隊地方協力本部に提出することは、自衛隊法第九十七条第一項及び自衛隊法施行令第百二十条の規定に基づいて都道府県知事及び市町村長に委任されている適法な事務であり、一般的には、神戸市も含め、御指摘の「募集対象者情報」の提供に際し、市町村長が当該募集の対象となる者本人から同意を得る必要はないものと承知している。

三について

 自衛官又は自衛官候補生の募集に関し必要な資料を市町村長が自衛隊地方協力本部に提出することは、自衛隊法第九十七条第一項及び自衛隊法施行令第百二十条の規定に基づいて行われていると認識している。

四について

 自衛官及び自衛官候補生の募集に関する地方公共団体との調整に係る情報については、今後の当該募集に関する事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあることから、個別具体的な市町村名のお答えは差し控えたい。

五について

 御指摘の「令和二年四月時点」において「個人情報保護審議会に諮問し、答申を受ける必要はあるのか」否かについては、各地方公共団体の判断において必要に応じて条例で定めるものであったことから、政府としてお答えする立場にない。

六について

 「国家防衛戦略」(令和四年十二月十六日閣議決定)において、「人的基盤の強化」として、「募集能力の一層の強化を図る」としており、また、「防衛力整備計画」(令和四年十二月十六日閣議決定)において、「採用の取組強化」として、「地方公共団体及び関係機関等との連携を強化する」としているところ、防衛省として、引き続き、地方公共団体及び御指摘の「自衛官募集相談員」との連携の強化を含め自衛官の採用の取組を強化してまいりたい。

七について

 御指摘の「地方自治体への雇用や再就職への協力」について、防衛省においては、都道府県知事及び市区町村長に対し、退職自衛官の採用について同省と緊密な連携を図るよう依頼しているところであり、引き続き、地方公共団体と相互の協力関係を一層強化してまいりたい。

八について

 自衛官の処遇の改善は喫緊の課題であると認識しており、その給与については、勤務環境の特殊性及び任務の特性を踏まえ、今後、早急に改善を図ってまいりたい。

九について

 御指摘の「根拠法」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、御指摘の「天皇陛下による認証官とすべき官職」については、憲法を始めとする個別法において定められており、一概にお答えすることは困難である。

十について

 「自衛官の最高位者である統合幕僚長を始め海上幕僚長、陸上幕僚長、航空幕僚長の任免に当たって天皇陛下の認証が必要とされる認証官とすべきである」との御指摘については、従来から慎重に検討してきているところであり、引き続き大臣政務官や各府省事務次官等、天皇が認証することとされていない他の官職との関係を踏まえ慎重に検討すべきものと考える。