第214回国会(臨時会)
内閣参質二一四第三号 令和六年十月十一日 内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 林 芳正
参議院議長 尾辻 秀久 殿 参議院議員神谷宗幣君提出若者の奨学金負担軽減に向けた支援に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員神谷宗幣君提出若者の奨学金負担軽減に向けた支援に関する質問に対する答弁書 一及び二について お尋ねの「改善」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「奨学金返還の負担軽減策」については、独立行政法人日本学生支援機構(以下「機構」という。)の奨学金の返還に係る支援制度である減額返還制度の対象を拡大するなどしたことにより、同制度の利用件数の増加が見込まれ、より多くの奨学金の返還が困難となった者の経済的負担の軽減につながるものと考えている。 「負担軽減策」の「効果をどのように検証し、結果をいつ、どのように公表する予定か」とのお尋ねについては、「こども未来戦略」(令和五年十二月二十二日閣議決定)において「「加速化プラン」の実施状況や各種施策の効果等を検証しつつ、こども・子育て政策の適切な見直しを行い、PDCAを推進していく。」としたことを踏まえ、公表の在り方も含め現在検討しているところである。 三について 御指摘の「教職大学院を修了し教師となった者に限定して」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではなく、また、「この制度」の指すところが必ずしも明らかではないが、「教師になった者に対する奨学金返還支援」は、独立行政法人日本学生支援機構法(平成十五年法律第九十四号)第十六条に基づく大学院の在学中に特に優れた業績を挙げたと認められる者に対して行う奨学金の返還免除の制度を活用して行うものであり、「特定の職種に対してのみ優遇する」ものではないことから、公平性の観点から問題があるとは考えていない。 四について 教師以外の特定の職に就いたことのみをもって機構の奨学金の返還を猶予し、又は免除することについては、特定の職業に従事することのみをもって優遇することに対する不公平感があること及び次の世代に対する学資金の原資を確保する必要があることから、現時点では検討していない。 五について お尋ねの趣旨が明らかではないため、お答えすることは困難である。 六について 前段のお尋ねについては、奨学金の返還に係る債務を負うことが御指摘の「若者の精神的及び経済的状況」に与える「影響」のみを評価することは難しいことから、一概にお答えすることは困難であるが、例えば、「こども未来戦略」においては、「教育費の負担が理想のこども数を持てない大きな理由の一つとなっているとの声がある」とされている。 後段のお尋ねについては、「十分に」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、機構の奨学金の返還に係る支援制度は、相当程度の要返還者(奨学金の貸与を受け、その奨学金を返還する義務を有する者をいう。)が利用可能な制度であることから、奨学金の「返還困難者」の経済的負担の軽減に一定の機能を果たしていると認識している。 |