質問主意書

第214回国会(臨時会)

質問主意書

質問第二五号

名簿届出政党による寄附行為に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和六年十月八日

石垣 のりこ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   名簿届出政党による寄附行為に関する質問主意書

 公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。以下「公職の候補者等」という。)が寄附行為をすることは、公職選挙法第百九十九条の二において、親族に対してする場合及び専ら政治上の主義又は施策を普及するために行う講習会その他の政治教育のための集会に関し必要やむを得ない実費の補償としてする場合以外は禁止されている。

 また、政党については、同法第百九十九条の五における「後援団体」に該当し、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもってするを問わず、寄附をしてはならない旨規定されている。しかしながら、所属議員から政党に寄附をさせた上で、それを原資として特定の団体等に寄附を続けている政党がある。

 公職の候補者等の寄附行為が禁止されている理由は、金銭や物品の授受によって、政治家が特定の個人や企業・団体を優遇したり、有権者が投票する候補者を決めたりするようなことがないようにし、選挙を公正に進めるためである。したがって、衆議院議員総選挙及び参議院議員通常選挙において有権者がその名称を記載して投票をする「名簿届出政党」が行う寄附についても、当該政党が全国の選挙区に公職の候補者等を擁することを踏まえれば、公職選挙法において禁止されていると解するのが妥当だと考える。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 名簿届出政党による寄附行為も公職の候補者等による寄附行為と同様に、有権者が投票先を決める要素になり得ると考えるが、政府の見解を示されたい。

二 名簿届出政党による寄附先が地方公共団体である場合、当該都道府県知事、市区町村長からの支援を求める意図がなかったとしても、そのように誤認される可能性もあり、選挙を公正に進める上で疑義が生じると考える。現在の公職選挙法上、名簿届出政党が地方公共団体に寄附することは禁止されていると考えるが、政府の見解を示されたい。

三 名簿届出政党が公益目的にNPO法人や公益財団法人等の公益団体に寄附することも、選挙を公正に進める上で疑義が生じると考えるが、政府の見解を示されたい。

四 地方公共団体は町会や自治会などの住民自治組織の法人化を促しているが、法人化が十分に進んでいるとは言えず、集会室や町会会館などが会長の個人名義になっている場合も多い。このような住民自治組織に対して名簿届出政党が寄附を行うことについて、公職選挙法は禁止していないと政府は考えているのか、見解を示されたい。

五 政治家と有権者の間のクリーンな関係を保ち、政治の腐敗や汚職を防止する上で、名簿届出政党による寄附行為については、法文上明確に禁止すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。