第214回国会(臨時会)
質問第二三号 JR東日本管内で発生した列車分離に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和六年十月七日 石垣 のりこ
参議院議長 尾辻 秀久 殿 JR東日本管内で発生した列車分離に関する質問主意書 令和六年九月十九日、はやぶさ・こまち六号が古川・仙台間を走行中、はやぶさ号とこまち号の連結部が外れ、列車の分離時に自動的に動作するブレーキによって停車する事案が発生した。停車したはやぶさ号とこまち号はいずれも脱線しておらず、約三百二十人の乗客に怪我はなかった。 国土交通省によると、走行中の新幹線で連結部分が外れる事案は今回が初めてであるが、運輸安全委員会は重大インシデントには該当しないとして調査を行う予定はないとしている。 その一方で、国土交通省東北運輸局はJR東日本に対して原因究明と再発防止策を検討するよう指示し、JR東日本は調査を行い、その結果と再発防止策を公表している。 JR東日本管内において、列車の連結部分が外れる事案は今年初めてではなく、八月二十五日にもJR中央線大月駅で河口湖発高尾行き上り普通電車の出発直後、不具合に気付いた運転士が非常ブレーキをかけて停車し、約一時間後に運転再開する事案があった。この時も国土交通省はJR東日本から報告を受けたが、重大インシデントには認定せず、JR東日本も報道向けの事故情報では、停止した理由を「車両点検」と説明していた。JR東日本が当該事案を社内で共有し、全車両の点検や作業状況を見直していれば、九月のはやぶさ・こまち六号の事案発生を防げていた可能性がある。 以上踏まえて、以下質問する。 一 国土交通省は八月二十五日に大月駅で発生した列車分離事案について、JR東日本から原因や再発防止策の報告を受けていたのか明らかにされたい。 二 また、国土交通省から当該電車区のみならず他の電車区においても情報共有を図るようJR東日本に指示を出すなど具体的な指示を出したのか。指示内容も含めて明らかにされたい。 三 大月駅での連結作業は運転士一名と再雇用社員二名の三名体制で行っていたものが運転士一名で行うことに変更になっていたと聞いているが、それは事実なのか明らかにされたい。また、事実である場合、国土交通省は作業人員を削減していたことをいつ知ったか明らかにされたい。 四 乗客を乗せた列車の連結器が外れて列車が分離した場合、前述した二事案では怪我人は発生していないが、大事故につながる可能性はある。連結器自体の不具合でも人為的なミスの場合でも乗客を乗せた列車で連結器が外れた場合は、重大インシデントに認定して運輸安全委員会が調査を行う必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。 五 また、重大インシデントに認定しない事案であっても、国土交通省は当該鉄道会社全体で事案の共有を図るよう指導すべきだと考えるが、政府の見解を示されたい。 右質問する。 |