質問主意書

第214回国会(臨時会)

質問主意書

質問第一一号

公益通報者保護法及び公益通報者保護制度に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和六年十月二日

齊藤 健一郎


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   公益通報者保護法及び公益通報者保護制度に関する質問主意書

 公益通報者保護法及び公益通報者保護制度について、以下質問する。

一 現行の公益通報者保護制度では、通報者が職場での報復や差別など不利益を受けるリスクが高く、安心して通報できる環境にない。通報者保護の実効性を高めるため、制度の改正を急ぐべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

二 公益通報者保護制度自体の認知度が低い。一般市民や企業の従業員が制度を知らず、利用方法も理解されておらず、通報者が権利を行使できない懸念がある。政府は制度の認知度不足を改善させるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

三 公益通報者保護法第十二条では「公益通報対応業務従事者又は公益通報対応業務事業者であった者は、正当な理由がなく、その公益通報対応業務に関して知り得た事項であって公益通報者を特定させるものを漏らしてはならない」と定められており、守秘義務が課されている。これに違反した者に三十万円以下の罰金を科す罰則規定(第二十一条)が令和四年に導入された。

 兵庫県庁の元幹部職員の男性が、斎藤元彦前知事のパワハラ疑惑などを告発する文書を関係者に配付し、県の公益通報窓口に通報した。しかし、その男性を法的に保護される通報者として扱わず、同県庁は停職の懲戒処分にした。男性はその後、自ら命を落とした。

 兵庫県の問題を見てもわかるように、法律があるにもかかわらず、通報者に対する報復行為が発生し、安心して通報できる状況には程遠いと言わざるを得ない。通報後の対応が不十分であり、公益通報者の保護を強化すべく、通報者へ不利益な扱いをした者に対しても、第二十一条と同様に罰則を設けることを検討すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。