質問主意書

第213回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一三第二三四号
  令和六年七月二日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出離婚の結果としてのひとり親世帯が置かれている困難な状況の克服に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出離婚の結果としてのひとり親世帯が置かれている困難な状況の克服に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの趣旨が明らかではないが、御指摘の「ひとり親世帯」については、子育てと生計の担い手という二重の役割を一人の親で担うこととなり、その生活は、収入、仕事、こども(こども基本法(令和四年法律第七十七号)第二条第一項に規定するこどもをいう。)の養育等の面で様々な困難に直面していると承知している。

二の1について

 お尋ねの「成果」の意味するところが明らかではないが、離婚届書については、平成二十四年四月から、養育費の分担や親子交流に関する取決めの有無を記入する欄を加える様式の改正を行ったものの使用を開始したところ、同月から同年六月までにおいては、養育費の分担につき「取決めをしている」の欄に記入しているものの割合が四十九パーセント、親子交流につき「取決めをしている」の欄に記入しているものの割合が四十八パーセントであったが、平成二十五年以降は、各割合はおおむね六十パーセント台で推移しているところである。

二の2について

 お尋ねの「成果」の意味するところが明らかではないが、法務省においては、二の1についてで述べた離婚届書の様式の改正のほか、養育費や親子交流に関する合意書のひな形を記載したパンフレットの配布、養育費や親子交流の取決めの方法を説明した動画の配信等の取組を行っているところ、離婚届書の養育費の分担及び親子交流につき「取決めをしている」の欄に記入しているものの各割合の推移は、二の1についてで述べたとおりである。

三の1について

 お尋ねの「養育費の立替え払い制度」の意味するところが必ずしも明らかではないが、養育費の不払解消に向けた検討として、法務省及び厚生労働省の担当官を構成員とする養育費の支払確保のための支援に関するタスクフォースや、弁護士、研究者等を構成員とする法務省内の検討会において、養育費を必要とするひとり親家庭への公的支援としての公的機関による立替払の導入等についての議論がされた。それらの議論の中では、そのような立替払の導入に当たっては、事後的に求償をすることができない場合の損失を公費で負担することについて国民の理解が得られるか、当事者が自発的に養育費に関する義務の履行や権利の行使をしなくなるといったモラルハザードが生じないかなどの指摘がされているところである。

三の2について

 お尋ねの「養育費の立替え払い」の意味するところが必ずしも明らかではないが、養育費を必要とするひとり親家庭への公的支援としての公的機関による立替払の導入については、三の1についてで述べた指摘等を踏まえ、慎重な検討が必要であると考えている。