第213回国会(常会)
内閣参質二一三第一九七号 令和六年七月二日 内閣総理大臣 岸田 文雄
参議院議長 尾辻 秀久 殿 参議院議員神谷宗幣君提出パブリック・コメントに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員神谷宗幣君提出パブリック・コメントに関する質問に対する答弁書 一について お尋ねの「一件の意見も提出されなかった事例」は存在する。また、その他のお尋ねについては、関係する資料の保存期間が経過しているものもあること及び調査に膨大な作業を要することから、網羅的にお答えすることは困難であるが、例えば、令和三年四月から令和六年三月までの間に、パブリック・コメントの結果が公示されたものについて調査を行ったところ、「一件の意見も提出されなかった」案件は八百三十九件(全体の案件数に占める割合は約十九パーセント)、「十件未満しか意見が提出されなかった」案件は三千三百三十四件(全体の案件数に占める割合は約七十四パーセント)であった。 二及び三について 御指摘の「「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」(案)に対する意見募集」については、その意見募集の対象となる当該計画が、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第八号に規定する「命令等」に該当しないため、同法第三十九条の規定による「意見公募手続」を要するものではなく、また、「命令等を定めようとする場合において、三十日以上の意見提出期間を定めることができないやむを得ない理由があるときは、・・・その理由を明らかにしなければならない」と規定する同法第四十条第一項の適用対象となるものではないが、いずれにせよ、広く国民の御意見を求めるため、令和六年四月二十四日に開催した新型インフルエンザ等対策推進会議(新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成二十四年法律第三十一号)第七十条の二の二に規定する新型インフルエンザ等対策推進会議をいう。)において、「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」(平成二十五年六月七日閣議決定(最終改定 平成二十九年九月十二日))の改定案を議論した後、速やかに、政府が任意で実施した意見募集であり、「命令等」に関する手続に準じて、概要資料等をお示ししつつ、適切に行ったものと考えている。 四について お尋ねについては、新型インフルエンザ等対策政府行動計画の改定の閣議決定と同時期に適切に対応してまいりたい。 五について 御指摘の「案件」は、被保険者証の廃止や御指摘の「資格確認書」の手続等に係る規定を設ける省令案に関するものであるところ、当該省令案の内容を正確に示しつつ、御指摘のように「広く意見を集めるために」、「被保険者証」等の法令上の用語を用いた省令案の概要について御指摘の「募集ページ」に掲載することで、「発見または検索」することができ、「広く意見を集める」ことが可能であることから、必ずしも御指摘の「単語」を御指摘のように「募集ページに掲載し、発見または検索しやすくすべき」とは考えていない。 六について 行政手続法は、行政運営における公正の確保と透明性(行政上の意思決定について、その内容及び過程が国民にとって明らかであることをいう。)の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的としており、同法第三十八条第一項の命令等を定める機関が同法第三十九条第一項の規定による手続を実施して命令等を定める場合には、提出された意見の内容を十分に考慮することが求められているところ、必ずしも意見を提出した者の属性や提出された意見の多寡に着目するものではないことから、御指摘のような措置は検討していない。 |