第213回国会(常会)
内閣参質二一三第一八六号 令和六年六月二十八日 内閣総理大臣 岸田 文雄
参議院議長 尾辻 秀久 殿 参議院議員石垣のりこ君提出「ガザ地区における人道状況の改善と速やかな停戦の実現を求める決議」を受けた政府の対応に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員石垣のりこ君提出「ガザ地区における人道状況の改善と速やかな停戦の実現を求める決議」を受けた政府の対応に関する質問に対する答弁書 一及び二について お尋ねの「あらゆる軍事行動を恒久的に終結」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、我が国政府としては、ガザ地区における危機的な人道状況を深刻に懸念しており、御指摘の「ガザ地区における人道状況の改善と速やかな停戦の実現を求める決議」に示されたように、令和六年五月三十一日の記者会見において、上川外務大臣が「人質の解放が実現するよう、そして、人道支援活動が可能な環境が持続的に確保されるよう、即時の停戦を求めるとともに、それが持続可能な停戦につながることを強く期待している」と述べたとおりの立場であり、イスラエル政府に対して、こうした我が国の立場を伝えてきている。 三について お尋ねについては、例えば、国際連合人道問題調整事務所の発表によれば、ハマス等によるイスラエルに対するテロ攻撃が発生した令和五年十月から令和六年六月九日までにおいて、イスラエル人の死者は千二百人以上であり、パレスチナ人の死者は三万七千人以上であると承知している。 四について 今般のイスラエルによる行動については、事実関係の十分な把握が困難であり、我が国として、「自衛の範囲で許容されると考えているのか」とのお尋ねについて確定的に評価することは困難であり、また、御指摘の「過剰防衛」の具体的に意味するところが明らかではないため、「過剰防衛だと考えるのか」とのお尋ねについてお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、当事者による全ての行動は、いかなる場合でも、国際人道法を含む国際法に基づいて行われなければならないものであると考えている。 |