質問主意書

第213回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一三第一八四号
  令和六年六月二十八日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員石橋通宏君提出我が国における難民認定の状況に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石橋通宏君提出我が国における難民認定の状況に関する質問に対する答弁書

一の1の(1)及び(2)について

 令和四年末時点で難民認定申請(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)第六十一条の二第一項の難民の認定の申請をいう。以下同じ。)中の者の数及び審査請求(入管法第六十一条の二の十二第一項の審査請求をいい、行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成二十六年法律第六十九号)第七十五条の規定による改正前の入管法第六十一条の二の九第一項の異議申立てを含む。以下同じ。)中の者の数は、それぞれ、九千八百六十人及び二千五百二十四人である。

 令和五年末時点で難民認定申請中の者の数及び審査請求中の者の数は、それぞれ、一万五千五百一人(速報値)及び四千三百十二人(速報値)である。

 その余のお尋ねについては、お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

一の1の(3)について

 令和五年に地方出入国在留管理局等(地方出入国在留管理局及び地方出入国在留管理局支局をいう。以下同じ。)における振り分けの段階で明らかに濫用・誤用的な案件として振り分けられたB案件又はC案件(「難民認定等事務取扱要領」(平成十七年五月十三日付け法務省管総第八百二十三号法務省入国管理局長通知)に「B案件」又は「C案件」として記載されているものをいう。以下同じ。)の数は、B案件が百十一件であり、C案件が千五百七件である。

一の1の(4)について

 令和五年に難民認定申請をした者のうち、難民認定申請時に二十歳未満であったもので在留資格を有していなかったものの数は百九十四人(速報値)であり、このうち入管法第二十二条の二第一項の規定により本邦に在留していたものの数は百二十七人であり、不法に本邦に在留していたものの数は六十七人(いずれも速報値)である。

 その余のお尋ねについては、お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

一の1の(5)及び二の3について

 令和五年に仮滞在許可(入管法第六十一条の二の四第一項の仮滞在の許可をいう。以下同じ。)を受けた者のうち、仮滞在許可を受けた時点で二十歳未満であったものの数は二十九人(速報値)であり、その年齢別の内訳は、零歳が十一人、一歳が二人、二歳が一人、三歳が三人、四歳が一人、五歳が二人、六歳が一人、七歳が二人、八歳が二人、十歳が一人、十一歳が一人、十二歳が二人(いずれも速報値)である。

 また、同年に仮滞在の許否の判断をした者のうち、東京出入国在留管理局成田空港支局(以下「成田空港支局」という。)におけるお尋ねの仮滞在が「許可された人数」は一人、「許可されなかった人数」は二十九人、東京出入国在留管理局羽田空港支局(以下「羽田空港支局」という。)におけるお尋ねの仮滞在が「許可された人数」は零人、「許可されなかった人数」は六人、名古屋出入国在留管理局中部空港支局(以下「中部空港支局」という。)及び大阪出入国在留管理局関西空港支局(以下「関西空港支局」という。)におけるお尋ねの仮滞在が「許可された人数」及び「許可されなかった人数」は、いずれも零人である。

 その余のお尋ねについては、お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

一の2の(1)から(3)までについて

 お尋ねの「A案件について、インタビュー等の調査の結果、別の分類に振分けが変更されること」はあり得るが、その余のお尋ねについては、お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

一の3の(1)について

 平成二十二年から平成二十九年まで難民認定申請数が増加を続けていたことに伴い、審査期間が長期化している未処理案件が生じていた中で、それらを集中的に処理したことから、難民認定申請から処理までに要した期間の平均が長期化したものであると考えている。

一の3の(2)について

 令和六年四月一日現在の難民調査官に指定されている者の数は三百九十七人であり、その内訳は札幌出入国在留管理局二十七人、仙台出入国在留管理局二十五人、東京出入国在留管理局百四十三人、名古屋出入国在留管理局二十七人、大阪出入国在留管理局五十人、広島出入国在留管理局四十一人、高松出入国在留管理局十九人、福岡出入国在留管理局六十五人である。

一の3の(3)について

 令和六年四月一日現在の出入国在留管理庁におけるお尋ねの「出身国情報の収集等に専従する職員の数」は十二人である。

一の4の(1)について

 令和五年に難民と認定した者(審査請求手続において認定した者を含む。)三百三人のうち、二回目の難民認定申請に対して難民と認定したものの数は二人(速報値)、三回目の難民認定申請に対して難民と認定したものの数は三人(速報値)であり、退去強制令書発付後に難民と認定したものの数は四人(速報値)である。

一の4の(2)及び(4)から(6)までについて

 お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

一の4の(3)について

 令和五年に難民と認定しなかったものの、人道上の配慮を理由に在留を認めた者千五人のうち、二回目の難民認定申請に対して難民と認定しなかったものの、人道上の配慮を理由に在留を認めたものの数は百三十二人(速報値)、三回目の難民認定申請に対して難民と認定しなかったものの、人道上の配慮を理由に在留を認めたものの数は二十人(速報値)、四回目の難民認定申請に対して難民と認定しなかったものの、人道上の配慮を理由に在留を認めたものの数は十二人(速報値)、五回目の難民認定申請に対して難民と認定しなかったものの、人道上の配慮を理由に在留を認めたものの数は三人(速報値)であり、退去強制令書発付後に在留を特別に許可したものの数は三十三人(速報値)である。

一の4の(7)について

 令和五年に難民として認定された者のうち、不服申立てで「理由あり」とされた者十四人の国籍別の内訳は、ミャンマーが五人、エチオピアが二人、イランが一人、ウガンダが一人、カンボジアが一人、コンゴ民主共和国が一人、ソマリアが一人、バングラデシュが一人、中国が一人である。

一の4の(8)について

 令和五年に難民と認定しなかったものの、人道上の配慮を理由に在留を認めた者千五人のうち、一次審査(入管法第六十一条の二第一項に規定する難民の認定に関する処分を行うための審査をいう。)において在留を認めたものの数は九百七十八人である。

一の5の(1)、(2)、(4)、(5)及び(7)について

 お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

一の5の(3)について

 審査請求に係る口頭意見陳述(行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号。以下「新法」という。)第三十一条第一項本文に規定する意見の陳述をいい、新法による改正前の行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号。以下「旧法」という。)第四十八条において準用する旧法第二十五条第一項ただし書に規定する口頭で意見を述べる機会を含む。以下同じ。)及び質問(新法第三十六条に規定する質問をいい、旧法第四十八条において準用する旧法第三十条に規定する審尋を含む。以下同じ。)の期日が開かれなかった二千二百十二人のうち、口頭意見陳述及び質問を申し立てた人数の合計は、八百三十九人である。

 その余のお尋ねについては、お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

一の5の(6)について

 お尋ねの「常設班」の数は、令和六年六月二十一日時点で、東京出入国在留管理局に二十三班、名古屋出入国在留管理局に五班、大阪出入国在留管理局に三班である。

 また、難民審査参与員の班の構成については、出入国管理及び難民認定法施行規則(昭和五十六年法務省令第五十四号)第五十八条の九第一項の規定に基づき異なる専門分野の難民審査参与員によって班が構成されるよう配慮されているほか、諸般の事情を勘案して個別具体的に判断されているものであることから、お尋ねの「難民審査参与員のうち、常設班を構成しない者」のいる理由について一概にお答えすることは困難である。

 その余のお尋ねについては、お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

一の5の(8)について

 御指摘の「相当期間」については、個別の事案に応じて判断されることとなるので、お尋ねの「「相当期間」の目安」について一概にお答えすることは困難である。

一の5の(9)について

 お尋ねの「進達から法務大臣による裁決までの期間」について、明示的な定めはないが、いずれにしても、難民の迅速かつ確実な保護のため、引き続き迅速な案件処理に努めていく考えである。

一の6について

 出入国在留管理庁において把握しているところでは、難民不認定処分取消請求訴訟及び難民不認定処分無効確認請求訴訟について、令和五年に提起された件数は三十二件、同年に終局裁判がなされた件数は第一審、控訴審及び上告審の合計で四十四件である。

 また、難民不認定処分取消請求訴訟、難民不認定処分無効確認請求訴訟又は難民認定義務付け訴訟のうち、同年において国の敗訴が確定した事案については、その確定後、難民の認定が行われた。

二の1について

 令和四年に一時庇(ひ)護上陸許可(入管法第十八条の二第一項の一時庇護のための上陸の許可をいう。以下同じ。)の申請をした者の数は十二人であり、その国籍別の内訳は、イランが七人、スリランカが一人、トルコが一人、パキスタンが一人、ロシアが一人、中国が一人である。同年に一時庇護上陸許可を受けた者の数は、トルコが一人、中国が一人である。

 令和五年に一時庇護上陸許可の申請をした者の数及び一時庇護上陸許可を受けた者の数は、現在集計中であり、現時点でお答えすることは困難である。

二の2について

 令和五年に、地方出入国在留管理局の各空港支局及び福岡出入国在留管理局福岡空港出張所(以下「福岡空港出張所」という。)において、難民認定申請を行った者の数は、成田空港支局については三十三人、羽田空港支局については九人、中部空港支局については零人、関西空港支局については零人、福岡空港出張所については零人である。

三の1について

 令和五年末時点で出入国在留管理庁の収容施設に収容されていた者の数は四百三十二人(速報値)であり、このうち、難民認定申請中のものの数は三十八人、審査請求中のものの数は三十三人(いずれも速報値)であるが、難民不認定処分取消請求訴訟係属中のものの数については、統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

三の2について

 令和五年における被収容者の自殺件数は、零件である。

 同年における被収容者の庁外診療数(速報値)は、入国者収容所東日本入国管理センター(以下「東日本センター」という。)九十一件、入国者収容所大村入国管理センター(以下「大村センター」という。)八十件、札幌出入国在留管理局四件、仙台出入国在留管理局六件、東京出入国在留管理局千二百三件、成田空港支局四十六件、羽田空港支局十件、東京出入国在留管理局横浜支局(以下「横浜支局」という。)七十九件、名古屋出入国在留管理局二百二十五件、大阪出入国在留管理局百五十五件、広島出入国在留管理局二十件、高松出入国在留管理局二件、福岡出入国在留管理局三十二件、福岡出入国在留管理局那覇支局(以下「那覇支局」という。)五件である。

 同年における被収容者の自傷行為(自殺未遂を含む。)の件数、精神科医の利用実績及び救急搬送件数は、いずれも集計に当たって被収容者の処遇を行う地方出入国在留管理局等に調査を行わせ、その結果を精査するなどの作業に膨大な時間を要することから、通常の業務において集計していないものであり、お答えすることは困難である。

三の3について

 令和五年における、①仮放免申請件数、②仮放免許可件数、③仮放免不許可件数は、それぞれ次のとおり(いずれも速報値)である。ただし、①仮放免申請件数については、統計システム上の理由等により、職権により仮放免を許可した場合においても仮放免の申請があったものとして集計している。

東日本センター ①六十七件 ②三十六件 ③二十三件

大村センター ①二十一件 ②八件 ③十一件

札幌出入国在留管理局 ①五件 ②五件 ③零件

仙台出入国在留管理局 ①十二件 ②十一件 ③零件

東京出入国在留管理局 ①二千八十三件 ②千八百六十九件 ③百四十九件

成田空港支局 ①十件 ②五件 ③三件

羽田空港支局 ①百十四件 ②百六件 ③六件

横浜支局 ①百十九件 ②百一件 ③十一件

名古屋出入国在留管理局 ①四百二十六件 ②三百三十六件 ③七十四件

中部空港支局 ①零件 ②零件 ③零件

大阪出入国在留管理局 ①百七十九件 ②百四十件 ③三十三件

関西空港支局 ①零件 ②零件 ③零件

大阪出入国在留管理局神戸支局 ①二十八件 ②二十八件 ③零件

広島出入国在留管理局 ①八件 ②八件 ③零件

高松出入国在留管理局 ①三件 ②三件 ③零件

福岡出入国在留管理局 ①二十四件 ②二十三件 ③一件

那覇支局 ①六件 ②六件 ③零件

三の4について

 令和五年における被送還者の数は八千二十四人(速報値)である。そのうち、自費出国による送還及び国費送還の数については、現在集計中であり、現時点でお答えすることは困難である。

 国費送還のうち、お尋ねの「集団送還及び送還を忌避する者」の数については、お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

四の1について

 令和五年度において、難民認定申請をしている者のうち生活に困窮するものに対する支援としてする保護費の支給(以下「保護措置」という。)の申請をした者の数は、六百六十三人であり、保護措置を受けた者の数は、六百五十八人である。

四の2について

 お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

四の3及び4について

 外務省においては、難民認定申請者保護事業等の実施を公益財団法人アジア福祉教育財団難民事業本部(以下「委託先」という。)に委託しているところ、令和五年度において、委託先が保護措置の申請を受け付けてから保護措置を開始して差し支えない旨の結果通知を同省から受けるまでの期間の平均は、約六十一日である。また、同年度において、保護措置を受けた者の平均受給期間は、約十三箇月である。

 その余のお尋ねについては、委託先に調査を行わせ、その結果を精査するなどの作業に膨大な時間を要することから、通常の業務において集計していないものであり、お答えすることは困難である。

四の5について

 令和五年において、保護措置の申請をしたものの保護措置の開始が不適当と判断された者の数は、六十人であり、その国籍は、アフガニスタン、アルジェリア、イエメン、ウガンダ、エチオピア、カメルーン、ギニア、コンゴ共和国、シリア、スリランカ、タンザニア、チュニジア、トルコ、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ブラジル、ロシア及び中国である。また、同年において、委託先が当該申請を受け付けてから保護措置の開始が不適当である旨の結果通知を外務省から受けるまでの期間の平均は、約五十九日である。お尋ねの「開始が不適当とされた理由」について明らかにすることは、委託先の調査に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。

四の6について

 令和五年度において、保護措置の対象者のうち直ちに住居を確保する必要があるものに対する支援として提供している難民認定申請者緊急宿泊施設(以下「緊急宿泊施設」という。)を利用した者の数は、八十八人であり、その男女別の内訳は、男性が六十五人、女性が二十三人であり、国籍別の内訳は、イエメンが二人、イランが一人、カメルーンが一人、ギニアが二人、コンゴ共和国が四人、コンゴ民主共和国が六十四人、ジンバブエが一人、セネガルが一人、チュニジアが六人、ナミビアが一人、ブルンジが一人、リベリアが三人、無国籍が一人である。また、保護措置の申請から緊急宿泊施設の利用開始までの平均日数は約二十二日、最短日数は零日、最長日数は百八十六日である。

四の7について

 お尋ねの令和五年度の支給額は、「保護費」が約二億二千四百万円、「生活費」が約一億四千六百万円、「住居費」が約五千六百万円、「医療費」が約二千二百万円である。また、同年度の緊急宿泊施設の「予算額」は、約五千万円であり、「執行額」は約二千百万円である。

四の8について

 お尋ねの「利用者数」については、令和六年六月十八日時点において五人である。

 その余のお尋ねについては、お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

四の9及び10について

 保護措置の実施については、限られた予算の中で保護を必要とする者に対する援助を確保する必要があることから、難民認定申請者の生活条件の調査を行った上で総合的に判断しているところであるが、お尋ねについて明らかにすることは、今後の適切な保護措置の実施に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。

四の11について

 お尋ねについては、委託先において、保護措置の申請をする者に記載させる事項、当該者に対し面接において聴取する事項及び外務省に提出する調査報告書に記載する事項を、それぞれ簡素化した。

五の1について

 出入国在留管理庁においては、難民に該当するか否かの判断において考慮すべきポイントを整理するなどした「難民該当性判断の手引」(令和五年三月二十三日付け入管庁入第六百五十四号出入国在留管理庁長官通知。以下「手引」という。)を策定しているところ、その「はしがき」においては、「本文書は、上記専門部会が取りまとめた「難民認定制度の見直しの方向性に関する検討結果(報告)」において、いわゆる「新しい形態の迫害」として言及された、性的マイノリティであることやジェンダーに起因する迫害といった、難民条約締結当時には想定されていなかったであろう事情に関連する内容にも言及している」としている。その上で、同「はしがき」においては、「本文書の内容は、今後も更新され得るものである。」としており、手引の更新に係る検討の一環として、令和六年二月より、難民審査参与員が御指摘の「新しい形態の迫害」に係るものも含めた手引の内容に関する提言を行う取組を開始し、御指摘の「仕組み」を構築した。

五の2から4までについて

 先の答弁書(令和五年六月二十七日内閣参質二一一第一一○号。以下「前回答弁書」という。)五の2についてで述べた「供述する際の所作や、難民調査官の質問に対する反応」については、「難民認定等事務取扱要領」において、「聴取上の留意点」として、難民調査官は「供述人の所作や反応の観察がおろそかとなることのないよう注意する。」と記載されており、現時点においても、お尋ねの「「供述態度等からその供述の信用性を慎重に吟味する」運用」をとっている。

 その上で、お尋ねの「「供述態度等からその供述の信用性を慎重に吟味する」運用を現在もとっている場合、供述の信用性を疑わせる「供述する際の所作」や「難民調査官の質問に対する反応」の具体例」について明らかにすることは、難民調査官の調査に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。

五の5について

 難民認定手続においては、従前から、難民の地位に関する条約(昭和五十六年条約第二十一号)第一条の規定又は難民の地位に関する議定書(昭和五十七年条約第一号)第一条の規定により難民の地位に関する条約の適用を受ける者(以下「条約難民」という。)を、難民認定申請の内容により個別に審査して難民と認定するなど、難民認定手続の適正な運用に努めてきたところであるが、更なる適正化を図るため令和二年十二月に第七次出入国管理政策懇談会が取りまとめた報告書「今後の出入国在留管理行政の在り方」を踏まえ、当該報告書で示された論点について、現在、法務省において検討を行っているところである。

五の6について

 前段のお尋ねについては、前回答弁書の閣議決定以降これまでに、国連難民高等弁務官事務所に対し、ケース・スタディの対象として七件の事案に関する資料を送付している。今後、ケース・スタディの対象とした事案について同事務所と意見交換を実施し、成果を取りまとめる予定である。

 後段のお尋ねについては、現時点において、当該ケース・スタディの結果、地方出入国在留管理局等に対して発出した文書はない。

五の7について

 御指摘の「調査研究の対象」は、未定であり、お尋ねにお答えすることは困難である。

六の1について

 御指摘の「二〇二三年の三回目以降の難民認定申請者」のうち、難民認定申請時に十八歳未満であったものの数は三十一人(速報値)である。

六の2から4までについて

 お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

七の1の(1)について

 お尋ねについては、平成二十九年度が十人、平成三十年度が十二人、令和元年度が十五人、令和二年度が十五人、令和三年度が十四人、令和四年度が七十四人、令和五年度が七十三人である。

七の1の(2)から(8)までについて

 お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

七の1の(9)について

 お尋ねの「生活援助費」の意味するところが必ずしも明らかではないが、これが「生活費」を意味するのであれば、年度ごとの①生活費、②「医療費」、③「定住手当」の「予算額及び執行額」は、それぞれ次のとおりである。

平成二十九年度予算額 ①約七百二十八万円 ②約五万円 ③約四百五十八万円

平成二十九年度執行額 ①約二百十九万円 ②約九万円 ③約百七十三万円

平成三十年度予算額 ①約五百十八万円 ②約五万円 ③約三百三十万円

平成三十年度執行額 ①約二百二十二万円 ②約三万円 ③約二百三十五万円

令和元年度予算額 ①約五百七十九万円 ②約三万円 ③約三百三十万円

令和元年度執行額 ①約二百八十六万円 ②約二万円 ③約二百四万円

令和二年度予算額 ①約八百三十七万円 ②約四万円 ③約四百六十六万円

令和二年度執行額 ①約三百六十三万円 ②約七万円 ③約二百五十一万円

令和三年度予算額 ①約五百三十九万円 ②約四十万円 ③約二百六十八万円

令和三年度執行額 ①約百五十万円 ②約十二万円 ③約百八十八万円

令和四年度予算額 ①約二千七百四十万円 ②約五十二万円 ③約千四百九十三万円

令和四年度執行額 ①約千九百四十六万円 ②約九十四万円 ③約千三百四十九万円

令和五年度予算額 ①約千二百二十万円 ②約二十万円 ③約六百五十六万円

令和五年度執行額 ①約八百八十一万円 ②約六十四万円 ③約五百四十一万円

七の1の(10)について

 お尋ねにおいて年度ごとの条約難民の宿泊施設の予算額及び執行額は、それぞれ次のとおりである。

平成二十九年度予算額 約四百四十八万円

平成二十九年度執行額 約百四十五万円

平成三十年度予算額 約四百三十七万円

平成三十年度執行額 約三百二十二万円

令和元年度予算額 約四百六十九万円

令和元年度執行額 約三百七十三万円

令和二年度予算額 約四百二十九万円

令和二年度執行額 約四百六十九万円

令和三年度予算額 約三百九十一万円

令和三年度執行額 零円

令和四年度予算額 零円

令和四年度執行額 零円

令和五年度予算額 約二百八十一万円

令和五年度執行額 約三百万円

七の2について

 お尋ねについては、「平成十八年度以降の難民に対する定住支援策の具体的措置について」(平成十五年七月二十九日付け難民対策連絡調整会議決定)において、「首都圏に通所式による定住支援施設・・・及び同施設の通所圏内に居住専用の定住支援施設・・・を、それぞれ借上げ方式で確保」することとされているため、これまで御指摘の「定住支援施設」を首都圏のみに設置してきたが、政府としては、御指摘の「定住支援プログラム」の在り方について引き続き検討していく考えである。

七の3について

 お尋ねのような申請をすること自体は可能であるが、そのような申請が認められるか否かは、個別の事案に応じて判断されるべきものであると考えており、お尋ねの「理由」について一概にお答えすることは困難である。

七の4について

 お尋ねの「定住支援プログラムの実施状況」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

 その余のお尋ねについては、お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

七の5について

 お尋ねの調査は行われていない。

八の1について

 お尋ねの「調査の実施状況」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「難民対策連絡調整会議決定」における「第三国定住難民」(以下「第三国定住難民」という。)の日本語能力、生活状況等についての調査を行っている。

八の2について

 お尋ねについては、八の1についてで述べた調査の結果等に基づき、御指摘の「難民対策連絡調整会議決定」における「受入れ実施状況」について検証しつつ、適宜、難民対策連絡調整会議を開催し、第三国定住難民の将来的な受入れ人数や受入れ体制の在り方等について検討を行うこととしている。