第213回国会(常会)
内閣参質二一三第一八一号 令和六年六月二十八日 内閣総理大臣 岸田 文雄
参議院議長 尾辻 秀久 殿 参議院議員水野素子君提出「ものづくりマイスター制度」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員水野素子君提出「ものづくりマイスター制度」に関する質問に対する答弁書 一及び二について 厚生労働省においては、若年技能者人材育成支援等事業により、ものづくり分野で優れた技能及び経験を有する熟練技能者を「ものづくりマイスター」として認定し、また、「ものづくりマイスター」の認定要件を満たした者のうち、デジタル技術を活用した改善指導を行うことを希望し一定の要件を満たしたものを「ものづくりマイスター(+DX)」として認定し、若年技能者等に対する実技指導を行うことを通じ技能伝承の促進に取り組んでおり、令和五年度末時点において、累計で一万四千九十八名を「ものづくりマイスター」に認定している。もっとも、地域によって「ものづくりマイスター」の職種別の登録者数に偏りがあることや、「ものづくりマイスター(+DX)」の登録者数が令和五年度末時点において累計で八十二名と少ないことは課題であると認識している。「ものづくりマイスター(+DX)」の登録者数に関する定量的な目標値は設定していないが、こうした課題を踏まえ、「ものづくりマイスター」の申請方法や活用に関する周知及び広報を行うとともに、若年技能者人材育成支援等事業の都道府県における「地域技能振興コーナー」の担当者が参加する会議での新規登録の勧奨に関する好事例の共有等を行っているところであり、こうした取組を通じて各地域における「ものづくりマイスター」及び「ものづくりマイスター(+DX)」の登録者数の増加を図ってまいりたい。 三について お尋ねの「こうした技能者の適切な能力評価及び賃金目安の明確化に資する仕組み」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画二〇二四年改訂版」(令和六年六月二十一日閣議決定)において「人手不足が目立つ現場を支える現場人材についても、スキル標準の整備等を通じ、ノウハウのある労働者が高い賃金を得られる構造を作り上げる」としているところであり、御指摘の「建設キャリアアップシステム」も参考にしつつ、ものづくり分野における労働者の処遇の改善につながるよう、職業能力評価制度の構築等について検討してまいりたい。 |