第213回国会(常会)
内閣参質二一三第一七五号 令和六年六月二十五日 内閣総理大臣 岸田 文雄
参議院議長 尾辻 秀久 殿 参議院議員神谷宗幣君提出LGBT理解増進法における「不当な差別」の定義の明確化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員神谷宗幣君提出LGBT理解増進法における「不当な差別」の定義の明確化に関する質問に対する答弁書 一について 前段のお尋ねについては、御指摘の「政府が考える「差別」」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「差別」とは、一般に、「差をつけて取りあつかうこと。(出典 広辞苑)」を意味するものとされていると承知している。 後段のお尋ねについては、「差別」という語は、様々な文脈で用いられていることから、御指摘のように「明確に示」すことが困難であることによる。 二について お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「性的マイノリティの人々などが不当な差別を受ける事案」について網羅的にお答えすることは困難であり、また、一部の「事案」のみを殊更に示すことは予断を与えるおそれがあることから差し控えたい。 なお、法務省の人権侵犯事件統計によれば、同省の人権擁護機関が令和五年において新規に救済手続を開始した人権侵犯事件のうち、「性的指向」又は「性自認」を理由として受けた「差別待遇」に関するものの件数は、二十二件である。 三について 性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(令和五年法律第六十八号。以下「法」という。)第一条に規定する性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する施策に係る事業の民間団体への委託については、委託する事業の趣旨目的を踏まえ、必要に応じて実施されているところであり、その経費については、当該事業を所管する府省庁において、関係法令に基づき適正に管理されているものと承知している。 四及び五について お尋ねの意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、法第八条第一項に規定する性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する基本的な計画及び法第十二条に規定する指針の策定に向け、関連する施策の整理も含め、検討を行っているところである。 |