第213回国会(常会)
内閣参質二一三第一七三号 令和六年六月二十一日 内閣総理大臣 岸田 文雄
参議院議長 尾辻 秀久 殿 参議院議員辻元清美君提出離婚後共同親権と児童虐待に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員辻元清美君提出離婚後共同親権と児童虐待に関する質問に対する答弁書 一の1について お尋ねの「これらの事情」の具体的に意味するところが必ずしも明らかでないため、一概にお答えすることは困難であるが、一般には、児童虐待のリスク要因としては、予期しない妊娠、経済的に不安定な家庭状況、地域社会や親族から孤立している状況等の様々な要因があると承知している。 一の2について 御指摘の「心中以外の「ひとり親(同居者あり)」」については、令和五年九月にこども家庭審議会児童虐待防止対策部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会が取りまとめた「こども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第十九次報告)」において、「心中以外の「ひとり親(同居者あり)」の事例においては、六十八・四パーセントが未婚であることに加え、死亡時のこどもの年齢が「零日」や「一~六日」と生後一週間未満が半数を占めており、さらには遺棄や医療機関以外の出産が多い。」等が示されている。 二について お尋ねについては、個別具体的な事案に応じて裁判所において判断されるものであることから、政府としてお答えすることは困難である。 なお、民法等の一部を改正する法律(令和六年法律第三十三号)による改正後の民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百十九条第七項第二号は、裁判所が親権者を定めるに当たって、父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれの有無、協議が調わない理由その他の事情を考慮して、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるときは、父母の一方を親権者としなければならない旨を定めており、政府としては、その趣旨及び内容を適切かつ十分に周知していく考えである。 |