質問主意書

第213回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一三第一三六号
  令和六年五月二十四日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員石垣のりこ君提出水俣病の関係団体と伊藤太郎環境大臣の懇談の場でマイクを切ったことに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石垣のりこ君提出水俣病の関係団体と伊藤太郎環境大臣の懇談の場でマイクを切ったことに関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、御指摘の「懇談の場」(以下「本懇談」という。)において、環境省の職員が、「マイクの音を切った」ことについて詳細な事実関係の確認が必要であると判断したことから、その場において詳細な説明を行わなかったものである。

二について

 前段のお尋ねについては、令和六年五月十日の参議院本会議において、伊藤環境大臣が「各団体のお話は私には全て聞こえており、発言の途中でマイクの音量が切られてしまった方のお一人については、団体全体で七分程度お話をされて話を終えられ、全てお伺いさせていただきました。」と答弁したとおりであり、また、後段のお尋ねについては、同日の参議院本会議において、同大臣が「懇談終了後、退出する際に、環境省の職員がマイクを切ったことについてどう思うかという趣旨の御質問があり、マイクの音量を切ったのか、切ったとしても誰がマイクを切ったのか、事実関係が分からなかったので、環境省の職員がマイクを切ったことは認識していないという趣旨で申し上げました。」と答弁したとおりである。

三及び四について

 本懇談において、二についてでお答えしたとおり、伊藤環境大臣は、「各団体のお話は・・・全て聞こえて」いたため、その場において環境省の職員に対して事実関係の確認はしなかったものであり、「単に確認すれば分かるということに気が付かなかった」わけではない。

五について

 御指摘の「発言」は、令和六年五月九日の参議院環境委員会における伊藤環境大臣の「五月一日の水俣病関係団体との懇談において、時間を超過した一部の方について発言の途中でマイクの音量を切るという運営をしたことを五月七日に事務方から報告を受けました。」との発言を指すものと考えられるが、お尋ねについては、同月十日の参議院本会議において、同大臣が「懇談会後は事務方が事実確認等を行っていたと承知しており、その結果として五月七日に報告を受け」たと答弁したとおりである。

六について

 御指摘の「発言時間を超えた場合にマイクを切る」ことを想定した運営方法については、いつから始まったかについて、記録が残っておらず、お答えすることは困難であり、また、実務的な事柄であるため、歴代の環境大臣へ説明は行っていない。

七について

 令和六年五月八日に環境省の職員が熊本県水俣市を訪れて謝罪を行ったことについて判断したのは、伊藤環境大臣である。

八について

 御指摘の「伊藤環境大臣が再び水俣市を訪れ謝罪すること」については、伊藤環境大臣が、五についてでお答えした「報告」等を受け判断した。なお、御指摘の「要望書」は令和六年五月八日に同大臣が熊本県水俣市を訪れた際に受け取ったものである。

九について

 御指摘の「このような患者・被害者等との懇談の場」の意味するところが必ずしも明らかではないが、本懇談における御指摘の「マイクの音を切る運用」は不適切なものであったと考えており、今後、環境大臣と水俣病の関係団体との懇談においては、適切な運営方法を検討していく。