第213回国会(常会)
内閣参質二一三第一三〇号 令和六年五月二十一日 内閣総理大臣 岸田 文雄
参議院議長 尾辻 秀久 殿 参議院議員浜田聡君提出岸田内閣が推し進めるEBPMを実践する上で必要不可欠である政府職員の統計に関する専門性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員浜田聡君提出岸田内閣が推し進めるEBPMを実践する上で必要不可欠である政府職員の統計に関する専門性に関する質問に対する答弁書 一について お尋ねの「統計検定の有資格者数」を統一的に把握することは行っておらず、お答えすることは困難であるが、基幹統計調査を実施する府省に所属する職員であって、統計作成の企画等に従事する者のうち、御指摘の「統計検定」のいずれかの試験に合格している旨の申告をした者について、統計法(平成十九年法律第五十三号)第五十五条第一項の報告に基づいて総務大臣が把握した令和五年三月末時点の人数は、総務省三十六人、文部科学省二人、厚生労働省四人、農林水産省八人及び経済産業省二十人である。 二について お尋ねの「統計に関する専門知識を有している事が示される国家資格または資格を有している職員」の意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、総務省政策統括官(統計制度担当)が各府省の職員の実務経験及び受講した研修の内容を踏まえて認定する「統計データアナリスト」及び「統計データアナリスト補」について、認定を開始した令和三年度から令和五年度末までに認定した延べ人数を認定時点の所属府省ごとにお示しすると、「統計データアナリスト」は、人事院三人、内閣府三人、総務省十六人、財務省五人、文部科学省二人、厚生労働省五人、農林水産省七人、経済産業省十七人及び国土交通省八人であり、「統計データアナリスト補」は、人事院五人、内閣府十九人、総務省百六十五人、財務省十一人、文部科学省五人、厚生労働省三十一人、農林水産省三十一人、経済産業省十六人及び国土交通省十一人である。 三について お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、例えば、国家公務員採用試験からの採用者が一で御指摘の「統計検定」の試験に合格しているかを一律に確認することについて、特段の定めはない。 四について お尋ねの「政府職員に対して、統計に関する専門性を高めるために政府が行っている取組」の具体的な範囲が必ずしも明らかではないが、国家公務員に対する統計に関する研修について、総務省統計研究研修所が令和四年度に実施したもの及び統計法第五十五条第一項の報告に基づいて総務大臣が把握した各府省が同年度に実施したものを府省ごとにお示しすると、次のとおりである。 人事院 人事院統計研修―統計知識― 内閣府 EBPM研修、計量経済分析入門(基礎編)、計量経済分析入門(応用編)、時系列分析実習、パネル分析実習、季節調整法研修、GDPを学ぶ、国民経済計算(SNA)ステップアップ、アンケート調査入門及び標本調査入門 総務省 初めて学ぶ統計、統計担当者向け入門、統計利用の基本、統計分析の基本、調査設計の基本、統計データアナリスト研修、本科、統計幹部講座、データ利活用コース、統計作成実務コース、人口・経済統計コース、地域分析コース及びミクロデータコース 外務省 第二部・第三部後期研修(研修の一部に統計に関する講義が含まれる。) 厚生労働省 統計基礎コース、統計実務コース、統計の見方・使い方入門、統計活用コース、統計理論コース、統計解析基礎コース、実践的統計解析コース、実践的調査の企画・設計コース、統計的因果推論基礎コース、全職員のための統計研修、統計担当課室長のための統計研修、幹部職員(指定職)のための統計研修、EBPM基礎研修及びEBPM応用研修 農林水産省 データサイエンティスト育成研修、農林水産統計専門職員研修(統計調査基礎コース)、農林水産統計専門職員研修(管理者コース)及び農林水産統計専門職員研修(簿記研修) 経済産業省 統計基礎研修(一次統計編)、統計基礎研修(二次統計編)、政策評価分析研修、統計業務におけるシステム研修及びアンケート調査の企画研修 また、これらの研修に係る予算額については、様々な予算に含まれる形で計上しており、必ずしも当該研修に係る予算のみを区分して計上していないため、お答えすることは困難である。 五について お尋ねの「経済統計を用いて費用便益分析を評価した」及び「経済統計を用いられずに行われた評価」の具体的に意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難である。 六について お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、政策評価については、行政機関が行う政策の評価に関する法律(平成十三年法律第八十六号)第三条において、各行政機関は、その所掌に係る政策について、政策の特性に応じた合理的な手法を用い、その政策効果を把握し、これを基礎として、自ら評価すると規定されており、その実施に当たって特定の統計の利活用が求められるものではなく、当該規定に基づき、各行政機関において、適切な手法を用いて行われるべきものであると考えている。 |