質問主意書

第213回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一三第一一四号
  令和六年四月二十六日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員浜田聡君提出ガバメントクラウドファンディングにおける自治体と一部のNPO法人の不明瞭な関係に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出ガバメントクラウドファンディングにおける自治体と一部のNPO法人の不明瞭な関係に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの意味するところが必ずしも明らかではないが、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百四十二条は「普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体に対し請負をする者及びその支配人又は主として同一の行為をする法人(当該普通地方公共団体が出資している法人で政令で定めるものを除く。)の無限責任社員、取締役、執行役若しくは監査役若しくはこれらに準ずべき者、支配人及び清算人たることができない。」と規定しており、個別の事案が同条の規定に違反するか否かについては、具体の事実に即して判断されるべきものである。

二について

 お尋ねの意味するところが必ずしも明らかではないが、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第三十八条第一項は「職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業・・・を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね・・・、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。」と規定しており、同項の規定による任命権者の許可を受ける必要があるか、また、当該許可が必要な場合に任命権者が許可するかについては、任命権者において、同項及び人事委員会規則等に基づき適切に対応されるべきものである。

三について

 お尋ねの「就任するように命ずること」の具体的な内容が明らかではないため、お答えすることは困難である。

四について

 個別の団体が特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号。以下「法」という。)第二条第二項第二号ハに規定する「特定の公職(公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第三条に規定する公職をいう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。・・・)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とするもの」に該当するか否かについては、具体の事実に即して判断されるべきものである。

五について

 御指摘の「正会員に本人の了承を得ずして不正に登録」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般論として申し上げれば、法第四十二条の規定に基づいて、所轄庁は、特定非営利活動法人が法第十二条第一項第四号に規定する要件を欠くに至ったと認めるときは、当該特定非営利活動法人に対し、期限を定めて、その改善のために必要な措置を採るべきことを命ずることができることとされている。なお、法第七十八条の規定により、正当な理由がないのに、法第四十二条の規定による命令に違反して当該命令に係る措置を採らなかった者は、五十万円以下の罰金に処される可能性がある。

六について

 御指摘の「当該自治体が保有する施設の一角を当該NPO法人の関連する事業会社を介して転貸を受ける行為は利益相反にあたる」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、個別の事項が法第十七条の四に規定する「特定非営利活動法人と理事との利益が相反する事項」に該当するか否かについては、具体の事実に即して判断されるべきものである。

七について

 御指摘の「ガバメントクラウドファンディング」及び「公表を促す規定が必要」の意味するところが必ずしも明らかではないが、ふるさと納税制度(個人が都道府県等(都道府県、市町村又は特別区をいう。以下同じ。)に対し寄附を行った場合に、当該寄附に係る寄附金について個人住民税の寄附金税額控除を適用する制度をいう。)の運用については、総務省において、「地方税法、同法施行令、同法施行規則の改正等について」(令和六年四月一日付け総税企第四十六号総務大臣通知)等により、都道府県等に対して、「ふるさと納税を活用する事業の趣旨や内容、成果をできる限り明確にする取組などを進めていただくことが重要である」ことを助言しているところであり、都道府県等において当該通知等を踏まえて適切に判断いただくものと考えている。

八について

 御指摘の「ガバメントクラウドファンディング」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねについては、都道府県等が定める「対象事業」に関するものであり、都道府県等において適切に判断いただくものと考えている。