第213回国会(常会)
内閣参質二一三第一○二号 令和六年四月十九日 内閣総理大臣 岸田 文雄
参議院議長 尾辻 秀久 殿 参議院議員須藤元気君提出日本が実施すべき半導体支援策に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員須藤元気君提出日本が実施すべき半導体支援策に関する再質問に対する答弁書 一について 政府としては、従来から、質問主意書に対して国会法(昭和二十二年法律第七十九号)の規定等に従い、誠実に答弁をしてきたところであり、引き続き適切な対応をしてまいりたい。 二の1について お尋ねの「「原則として事業規模二千億円以上」とした具体的な数字の根拠」については、先の答弁書(令和六年三月二十六日内閣参質二一三第七一号。以下「前回答弁書」という。)一の1及び2についてでお答えした考えに基づき、御指摘の「パワー半導体」の国際的な需給の動向や、国内外の事業者による投資の状況等を踏まえた上で決定したものである。 また、お尋ねの「エルピーダメモリに関する政府の業界再編支援策」の具体的に意味するところが明らかではないため、お尋ねの「成功したものと理解しているのかどうか」にお答えすることは困難である。 さらに、お尋ねの「過去に経済産業省が実行した業界再編政策」及び「経済産業省が実行した半導体業界の再編政策」の具体的に意味するところが明らかではないため、お尋ねの「成功した具体的な事例」についてお答えすることは困難である。 二の2について お尋ねについては、例えば、経済産業省が非公開を前提として実施した半導体の製造事業者に対するヒアリング等において、中小企業等経営強化法(平成十一年法律第十八号)第二条第一項に規定する中小企業者に該当する当該製造事業者が、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律(令和四年法律第四十三号。以下「法」という。)第八条第一項の規定に基づき経済産業大臣が定めた「半導体に係る安定供給確保を図るための取組方針」(令和五年一月十九日経済産業省公表)で支援対象とする従来型半導体の製造に関して三百億円以上の規模の投資に係る計画を検討していることを確認している。 三の1について 御指摘の「欧米各国、韓国、中国及び台湾等の関係利害各国との事前確認」の有無といった外交上の個別のやり取りについては、相手方との関係もあり、これを明らかにすることは差し控えたい。 また、後段でお尋ねの「日本の中小の半導体企業を犠牲にした上で、米国の半導体戦略に協力するように押付けられたものではないか」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、御指摘の「協力原則」については、「オープンな市場、透明性、自由貿易を基本とし」、「日米及び同志国・地域でサプライチェーン強靱性を強化するという目的を共有し」、「双方に認め合い、補完し合う形で行う」ことなどを内容としたものであり、また、前回答弁書一の3についてでお答えしたとおり、法に基づく支援の対象から中小企業を除外しているものではない。 三の2について 御指摘の「政府は、台湾政府の半導体企業への巨額な補助金について十分認識し、相殺措置の利用も検討し」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねの「過去の不対応の理由を開示することが今後の対応に支障をきたすおそれがある理由」については、先の質問主意書(令和六年三月十三日提出質問七一号)二の2で御指摘の台湾による半導体産業に対する支援が現在も継続されているところ、お尋ねの「過去の不対応の理由」を明らかにすることにより、当該支援に対する我が国の今後の対応及び今後の類似の事案に対する我が国の対応の在り方等について類推されるおそれがあり、これらの対応に支障を来すおそれがあることなどである。 |