質問主意書

第213回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一三第九五号
  令和六年四月十二日
内閣総理大臣臨時代理        
国務大臣 林 芳正


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員石垣のりこ君提出麻疹感染者の増加とMRワクチンの二回目接種に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石垣のりこ君提出麻疹感染者の増加とMRワクチンの二回目接種に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 御指摘の「平成二十年に実施した特例措置」は、平成十九年十一月二十九日に開催された第三十二回厚生科学審議会感染症分科会において、「平成十九年に、十代及び二十代において麻しんの大流行が起こった。これらの流行が、ともに予防接種を適切な回数行っていない世代を中心として広がったことから」「平成二十四年までを麻しんの予防接種の対策期間に定め、定期の予防接種の対象に」麻しんの予防接種の機会が一回であった「中学一年生及び高校三年生に相当する年齢の者を加えることで、二回目の定期の予防接種の機会を設けること」と確認されたこと等を踏まえ、麻しんの予防接種の機会や当時の感染状況に鑑み、特例として実施したものであるところ、現在においては、予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号)第五条第一項の規定による定期の予防接種(以下「定期接種」という。)により麻しんについて予防接種の機会を二回設けており、また、御指摘の「定期接種の年齢を過ぎた」世代を中心に麻しんの大流行が生じている状況にはないことから、現時点においてお尋ねのように「定期接種の年齢を過ぎた場合でも公費で接種が出来るよう特例措置」を設けることは考えていない。また、御指摘の「特例措置の際に接種していない者」に対しても「特例措置」により麻しんの予防接種の機会を二回設けており、また、これらの世代を中心に当該状況にはないことから、現時点においてお尋ねのように「改めて特例措置を設けること」は考えていない。

 また、御指摘の「改めて接種を促す」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「平成二十年に実施した特例措置の際に接種していない者」については、定期接種の対象ではないため、同法第八条に基づく予防接種の勧奨の対象とはならないが、厚生労働省のホームぺージ等において麻しんに係るワクチンの有効性等を周知しながら、当該ワクチンの接種の検討を呼び掛けているところである。

三について

 お尋ねについて、御指摘の「卸業者」に対しては、「麻しんに係る定期の予防接種の確実な実施に向けた乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン及び乾燥弱毒生麻しんワクチンの安定供給の徹底について」(令和六年三月二十一日付け厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部予防接種課事務連絡)において、都道府県等を通じて「定期の予防接種(第一期および第二期)の対象者への接種機会を確保するため、定期接種を実施する小児科等の医療機関へのワクチンの供給を優先する」ことや「ワクチンの偏在が起こらないように、医療機関等の在庫を確認した上で、随時、必要量を供給」することを求めるとともに、一般社団法人日本医薬品卸売業連合会を通じても同事務連絡の周知を図っており、また、御指摘の「メーカー」に対しては、一般社団法人日本ワクチン産業協会を通じて同事務連絡の周知を図るとともに、厚生労働省において、「メーカー」各社における麻しんに係るワクチンの出荷計画を把握しながら、当該ワクチンの安定供給を求める等のやりとりを行っているところである。