質問主意書

第213回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一三第九二号
  令和六年四月十二日
内閣総理大臣臨時代理        
国務大臣 林 芳正


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員浜田聡君提出赤い羽根共同募金の受配者が社会福祉法第百二十二条の禁止事項に反して寄附金を募集し集めていること等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出赤い羽根共同募金の受配者が社会福祉法第百二十二条の禁止事項に反して寄附金を募集し集めていること等に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、個別具体の事実関係に即して判断されるべきものであるところ、御指摘の「この期間における寄附金募集」の詳細を把握していないため、お答えすることは困難である。

二について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「共同募金の受配者」が受領した寄附金に係る収益の額は、原則として、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第二十二条第二項の規定により無償による資産の譲受けに係る収益の額として当該「共同募金の受配者」の所得の金額の計算上益金の額に算入すべきものであるところ、当該寄附金に係る収益の額が当該「共同募金の受配者」との間に同法第二条第十二号の七の六に規定する完全支配関係(法人による完全支配関係に限る。)がある他の内国法人から受けた受贈益の額に当たる場合には、当該額は、同法第二十五条の二第一項の規定により当該「共同募金の受配者」の所得の金額の計算上益金の額に算入しないこととなる。

三について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、一般論として、所得については経済的な実質により把握すべきものと考えており、違法な行為に基づく所得であっても、法人税法第二十二条第二項の規定により所得の金額の計算上益金の額に算入すべきものであると考えている。

 一方で、同法第六条の規定により、内国法人である公益法人等(同法第二条第六号に規定する公益法人等をいう。以下同じ。)の各事業年度の所得のうち収益事業(同法第二条第十三号に規定する収益事業をいう。以下同じ。)から生じた所得以外の所得については、各事業年度の所得に対する法人税を課さないこととされている。これは、公益法人等については、事業を行って利益を稼得することや、その利益を構成員等に分配することを目的としない法人であると考えられることから、同法第五条及び第六条において、営利企業と競合する収益事業から生じた所得にのみ法人税を課すこととしたものであると承知しており、このような取扱いは違法な行為に基づく所得についても異なるものではない。また、当該取扱いは、特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第七十条第一項の規定により公益法人等とみなされる同法第二条第二項に規定する特定非営利活動法人(以下「特定非営利活動法人」という。)についても同様である。

 このため、御指摘の「共同募金の受配者」についても、当該「共同募金の受配者」が公益法人等又は特定非営利活動法人に該当する場合に、当該「共同募金の受配者」が得た受贈益は、それが御指摘の「法令で禁止された違法行為」に基づいているか否かにかかわらず、収益事業から生じた所得に該当しなければ、法人税を課されるものではないと考えている。

四について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「禁止期間に集められた寄附金」に係る法人税法上の取扱い及びその趣旨については、三についてで述べたとおりであり、公平性等の観点から、問題はないものと考えている。