質問主意書

第213回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一三第八九号
  令和六年四月九日
内閣総理大臣臨時代理        
国務大臣 林 芳正


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員石垣のりこ君提出放課後等デイサービス等の児童発達支援管理責任者が処遇改善加算の対象に加えられていないことに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石垣のりこ君提出放課後等デイサービス等の児童発達支援管理責任者が処遇改善加算の対象に加えられていないことに関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「直接処遇」は、「福祉・介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(令和六年三月二十六日付け障障発〇三二六第四号・こ支障第八十六号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長及びこども家庭庁支援局障害児支援課長連名通知。以下「処遇改善加算通知」という。)における「利用者への直接的な支援」を指すものと理解しているが、処遇改善加算通知においては、当該支援を行う主な者として、「ホームヘルパー、生活支援員、児童指導員、保育士、世話人、職業指導員、地域移行支援員、就労支援員、就労定着支援員、就労選択支援員、地域生活支援員、訪問支援員、夜間支援従事者、共生型障害福祉サービス等事業所及び特定基準該当障害福祉サービス等事業所に従事する介護職」を挙げている。このうち、例えば「児童指導員、保育士」等が、御指摘の「児童発達支援事業」を行うことについては、「児童発達支援ガイドライン」(平成二十九年七月二十四日付け障発〇七二四第一号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知別紙)において、例えば「清潔で安全な環境を整え、適切な援助や応答的な関わりを通して子どもの生理的欲求を満たしていく」、「食事、衣類の着脱、排泄、身の回りを清潔にすることなどについて、子どもが意欲的に生活できるよう適切に援助する」、「子どもの欲求を適切に満たしながら、応答的な触れあいや言葉がけを行う」等と示し、また、「放課後等デイサービス」を行うことについては、「放課後等デイサービスガイドライン」(平成二十七年四月一日付け障発〇四〇一第二号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知別紙)において、例えば「子どもの発達と発達支援に関する専門的知識、技術及び判断を持って、子どもの発達支援を行う」、「児童発達支援管理責任者が作成するタイムテーブルに沿って、それぞれの子どもたちの障害種別、障害特性、発達段階、生活状況や課題に細やかに配慮しながら支援を行う」等と示しているところであり、このような支援が「利用者への直接的な支援」に当たるものと考えている。

二について

 お尋ねの「児童発達支援管理責任者の業務」については、児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成二十四年厚生労働省令第十五号)において、同令第二十七条第一項に規定する児童発達支援計画の作成に関する業務のほか、障害児又はその家族に対する相談及び援助並びに他の従業者に対する技術指導及び助言の業務を行うものとされている。

三について

 御指摘の「福祉・介護職員等処遇改善加算の対象から児童発達支援管理責任者を除外している」の意味するところが明らかではないが、令和六年度障害福祉サービス等報酬改定後の「福祉・介護職員等処遇改善加算」については、処遇改善加算通知において、「特に経験・技能のある障害福祉人材(介護福祉士等であって、経験・技能を有する障害福祉人材と認められる者をいう。具体的には、・・・児童発達支援管理責任者・・・に該当する者であるとともに、所属する法人等における勤続年数十年以上の職員を基本としつつ、他の法人における経験や、当該職員の業務や技能等を踏まえ、各事業者の裁量で設定することとする。・・・)に重点的に配分することとするが、障害福祉サービス事業者等の判断により、福祉・介護職員以外の職種への配分も含め、事業所内で柔軟な配分を認める」と示しているとおり、当該事業者等の判断により、特に経験及び技能があると認められる「児童発達支援管理責任者」に「重点的に配分」することや、それ以外の「児童発達支援管理責任者」に「福祉・介護職員以外の職種」として「柔軟な配分」を行うことを認めることとしている。