質問主意書

第213回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一三第八五号
  令和六年四月五日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員石垣のりこ君提出LD(学習障害)、ディスレクシア、発達障害等により文字の読み書き学習に著しく困難を抱える児童生徒の教科書に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石垣のりこ君提出LD(学習障害)、ディスレクシア、発達障害等により文字の読み書き学習に著しく困難を抱える児童生徒の教科書に関する質問に対する答弁書

一について

 文部科学省において、都道府県教育委員会等の担当者や各学校の教員等を対象として、御指摘の「デイジー教科書」をはじめとする音声教材やその利用事例などの周知を図るための会議を実施しているところであり、こうした取組を引き続き実施してまいりたい。

二について

 障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律(平成二十年法律第八十一号。以下「法」という。)第二条第一項において、教科用特定図書等とは、「視覚障害のある児童及び生徒の学習の用に供するため文字、図形等を拡大して検定教科用図書等を複製した図書・・・、点字により検定教科用図書等を複製した図書その他障害のある児童及び生徒の学習の用に供するため作成した教材であって検定教科用図書等に代えて使用し得るもの」と規定されており、障害のある児童及び生徒が検定教科用図書等(同条第二項に規定する検定教科用図書等をいう。)を用いた学習に困難がある場合にいずれの教科用特定図書等を用いるかについては、法第九条第一項を踏まえ、児童及び生徒の障害の状態等に応じて、各学校及びその設置者が適切に判断しているものと考えている。

三について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、「障害のある児童及び生徒のための「教科用特定図書等」の無償給与実施要領」(平成二十二年三月十二日文部科学省初等中等教育局長決定。以下「要領」という。)における教科用拡大図書及び教科用点字図書については、法第二条第一項において、「視覚障害のある児童及び生徒の学習の用に供するため」と規定されているものであることから、御指摘の「視覚には障害のない読み書き学習に著しい困難を抱える児童生徒」は、要領における「給与対象者」ではない。