質問主意書

第213回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一三第五八号
  令和六年三月十二日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員大椿ゆうこ君提出辺野古新基地建設に係る埋立てに用いる土砂等の採取に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員大椿ゆうこ君提出辺野古新基地建設に係る埋立てに用いる土砂等の採取に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 御指摘の「採取候補地」及び「採取可能量」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「採取場所」及び「採取量」については、公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)第二条第三項第五号に基づき、埋立てを行おうとする者が同条第二項の願書に添付する図書の一つとして、公有水面埋立法施行規則(昭和四十九年運輸省・建設省令第一号)第三条第五号に、埋立てに用いる土砂等の採取場所及び採取量を記載した図書(以下「土砂図書」という。)が掲げられており、土砂図書については、御指摘の「公有水面埋立実務便覧(全訂二版)」において、「本図書は、埋立てを行うに当たって必要不可欠である土砂等の埋立用材が確保されているかを審査するため必要とするもの」とされていると承知しているところ、御指摘の「設計変更承認申請書の添付図書」においては、普天間飛行場代替施設建設事業における代替施設本体の建設に必要な埋立土砂の採取場所及び採取量並びに調達可能量を明記しており、土砂図書に記載すべき事項を記載したものと考えている。

三について

 普天間飛行場代替施設建設事業における埋立ては、御指摘の「設計変更承認申請書」に添付された「設計概要説明書」に示した「埋立に用いる土砂等の種類及び性状」に基づく埋立土砂により行われるものであり、御指摘の「白石岩ズリ」の使用が排除されるものではない。

四について

 御指摘の「採石工事の候補地」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、一で御指摘の「設計変更承認申請書の添付図書」に記載している沖縄県内の「想定される土砂採取場所」については、鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)等に基づき同県内で鉱業等を営む全ての事業者に対する沖縄防衛局によるアンケート調査への回答において埋立土砂の出荷が可能であることが示された鉱山等の所在地を示したものである一方、御指摘の「防衛省の認識」については、埋立土砂の調達先を決定するに当たっての姿勢を示したものであり、「矛盾している」との御指摘は当たらないものと考えている。

五について

 前段のお尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「認識」については、防衛省における埋立土砂の調達先を決定するに当たっての姿勢を示したものであると考えており、また、御指摘の「視察」については、現時点において予定していないが、政府としては、令和三年十月十三日の参議院本会議において岸田内閣総理大臣が答弁したとおり、「さきの大戦で凄惨な地上戦を経験した沖縄では、今なお戦没者の御遺骨の収集が進められており、御遺骨の問題は大変重要」であると認識しているところ、埋立土砂の調達先については、こうしたことも踏まえ、今後、同省において適切に判断していく考えである。

六について

 お尋ねについては、仮定の質問であり、お答えすることは差し控えたい。いずれにせよ、埋立土砂の調達先については現時点で確定しておらず、五についてで述べた政府の認識も踏まえながら事業を進めていく考えである。

七について

 御指摘の「南部地区にある採掘跡の穴」の具体的に意味するところが明らかではないため、これに関するお尋ねにお答えすることは困難である。また、埋立土砂の調達先については現時点で確定していないため、御指摘の「南部地区」から埋立土砂を調達することを前提としたお尋ねにお答えすることは差し控えたい。いずれにせよ、鉱山における必要な措置については、鉱業法及び鉱山保安法(昭和二十四年法律第七十号)をはじめとする関係法令に基づき、鉱業権者において適切に講じられるべきものと考えている。

八について

 御指摘の「埋立て材採取が引き起こす環境破壊」の意味するところが必ずしも明らかではないが、鉱山における必要な措置については、鉱業法及び鉱山保安法をはじめとする関係法令に基づき、鉱業権者において適切に講じられるべきものであり、御指摘の「留意事項」に基づいて沖縄県との間で「協議」する必要があるものではないと考えている。