第213回国会(常会)
内閣参質二一三第四三号 令和六年三月五日 内閣総理大臣 岸田 文雄
参議院議長 尾辻 秀久 殿 参議院議員須藤元気君提出NTT法廃止議論に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員須藤元気君提出NTT法廃止議論に関する質問に対する答弁書 一について 日本電信電話株式会社等に関する法律(昭和五十九年法律第八十五号。以下「法」という。)第三条に規定する「電話の役務」には、固定電話及び公衆電話の役務が含まれ、スマートフォンを含む携帯電話の役務は含まれないと解している。 二について 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(以下「NTT東西」という。)は、現在も、メタル回線を用いて固定電話の役務を提供しているものと承知しており、御指摘の「NTT東西は固定電話で利用されてきたメタル回線を廃止した」ことを前提としたお尋ねについてお答えすることは困難である。 三について お尋ねの意味するところが必ずしも明らかではないが、法第三条に規定する「電気通信技術に関する研究」の「成果の普及」については、「日本電信電話株式会社等の研究成果の普及についての日本電信電話株式会社等に関する法律第三条の適用に関する考え方」(令和五年十二月二十二日総務省策定)において、「研究成果の普及は、国際競争力の強化や経済安全保障の確保等にも留意した上で、最も効果的と認められる方法(普及の時期や相手方を含む。・・・)により行うよう努めることが適当である」と示しており、研究成果の普及に当たってその方法を限定しているものではない。 四について お尋ねについては、例えば、日本電信電話株式会社が令和五年十月十九日に公表した「NTT法のあり方についての当社の考え」において、「NTTの部分の開示が必要となると、技術全体の問題に及ぶためパートナリングを断られるケースがあり、国際展開の足枷となっている」とされており、そのような事例があれば、同社が不利益を被るおそれがあると考える。 五について お尋ねの「NTTが外資に乗っ取られたとして、我が国が通信インフラを再構築しなければならない」の具体的に意味するところが明らかではなく、また、仮定に基づくお尋ねであるため、お答えすることは困難であるが、我が国の情報通信基盤を再度整備するような事態が生じないように必要な措置を講ずることが重要であると考えている。 六について NTT東西は、令和六年一月から、固定電話網をIP網に段階的に移行しつつ、引き続き固定電話の役務を提供しているものと承知しており、御指摘の「二〇二四年一月から廃止を段階的に行なう」ことを前提としたお尋ねについてお答えすることは困難である。 |