質問主意書

第213回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一三第二七号
  令和六年二月二十日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員浜田聡君提出岸田内閣が掲げる少子化対策におけるEBPMが明確ではない可能性等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出岸田内閣が掲げる少子化対策におけるEBPMが明確ではない可能性等に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、「こども大綱」(令和五年十二月二十二日閣議決定。以下「大綱」という。)において、「若い世代の意見に真摯に耳を傾け、その視点に立って、若い世代が、自らの主体的な選択により、結婚し、こどもを産み、育てたいと望んだ場合に、それぞれの希望に応じて社会全体で若い世代を支えていくことが少子化対策の基本である」とし、また、「こども未来戦略」(令和五年十二月二十二日閣議決定)において、「個人の幸福追求を支援することで、結果として少子化のトレンドを反転させること、これが少子化対策の目指すべき基本的方向である」としており、政府としては、個人の希望に応じた支援を行うことが重要と考えており、これが結果として御指摘の「合計特殊出生率を引き上げること」につながっていくものと考えている。

二について

 お尋ねの「やりとり」に関して、御指摘の「事務所からこども家庭庁へ」の「質問」についてはお答えを差し控えるが、御指摘の「こども家庭庁からの回答」については、令和六年一月十七日にこども家庭庁から「事務所」に対して文書で「こども家庭庁において、合計特殊出生率と個別施策の因果関係を示す資料は持ち合わせていません。先月二十二日に閣議決定されたこども大綱においては、別紙として、・「こどもまんなか社会」の実現に向けたこども・若者や子育て当事者の視点に立って数値目標、・こども・若者、子育て当事者の置かれた状況等を把握するための指標を定めており、また、具体的に取り組む施策の進捗状況を検証するための指標を「こどもまんなか実行計画」において設定することとされたところです。合計特殊出生率や出生数については、状況等を把握するための指標として大綱別紙に位置付けられています。この状況等を把握するための指標は何かひとつの特定の施策と結びつくというものではなく、様々な施策や社会の状況などにより、こども・若者、子育て当事者がどのような状況にあるか把握し、次の施策に生かしていくためのものとなっています」と回答したとおりである。

三及び四について

 御指摘の「因果関係」とは、例えば、広辞苑(第七版)によれば、「原因とそれによって生ずる結果との関係」とされているものと承知しているところ、少子化の背景には、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が複雑に絡み合っていることから、特定の施策と合計特殊出生率との間に「因果関係」が「ある」とは言えないものと考えており、御指摘の「こども家庭庁以外の省庁が所管する政策」についても、お尋ねの「合計特殊出生率と因果関係のある」と言える「政策」はないものと考えている。したがって、「合計特殊出生率と因果関係がある政策」があることを前提としたお尋ねについてもお答えすることは困難である。

五について

 御指摘の「二〇一五年に政府が公式に掲げた出生率目標」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「希望出生率一・八」に関しては、「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」(平成二十六年十二月二十七日閣議決定。以下「ビジョン」という。)において、「若い世代の結婚・子育ての希望が実現するならば、我が国の出生率は一・八程度の水準まで向上することが見込まれる」としているものであり、お尋ねの「目標達成度」についてお答えすることは困難である。いずれにしても、ビジョンにおいては、「我が国においてまず目指すべきは、若い世代の結婚・子育ての希望の実現に取り組み、出生率の向上を図ること」とし、また、大綱においても、「多様な価値観・考え方を大前提として若い世代の視点に立って結婚、子育てに関する希望の形成と実現を阻む隘路(あいろ)の打破に取り組む」こととしている。

六について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「EBPM」については、令和三年三月二十二日の参議院総務委員会において、政府参考人が「EBPMは、政策目的を明確化させ、その目的達成のため本当に効果が上がる政策手段は何かなど、政策手段と目的の論理的なつながりを明確にし、このつながりの裏付けとなるようなデータ等のエビデンスを可能な限り求め、政策の基本的な枠組みを明確にする取組である」と答弁しているところであり、こども施策(こども基本法(令和四年法律第七十七号)第二条第二項に規定するこども施策をいう。以下同じ。)における「EBPM」については、大綱において、「こども施策におけるEBPMの浸透に向けた仕組み・体制の整備」として、「様々なデータや統計を活用するとともに、こども・若者からの意見聴取などの定性的なデータも活用し、・・・課題の抽出などの事前の施策立案段階から、施策の効果の事後の点検・評価・公表まで、それぞれの段階で、エビデンスに基づき多面的に施策を立案し、評価し、改善していく」としており、これに基づき、こども家庭庁を中心に関係府省庁が連携し、こども施策におけるEBPMを推進してまいりたい。