質問主意書

第213回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一三第二号
  令和六年二月六日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員神谷宗幣君提出令和六年一月二日に東京国際空港で発生した航空機事故に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員神谷宗幣君提出令和六年一月二日に東京国際空港で発生した航空機事故に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「シカゴ条約第十三附属書」(以下「附属書」という。)においては、御指摘のような「運輸安全委員会の調査を刑事捜査に優先させる」ことは規定されていないものと承知しているが、運輸安全委員会(以下「委員会」という。)においては、捜査機関とは独立した立場で附属書の趣旨に沿って、御指摘の「事故」に係る原因の調査を行っているものと考えている。また、委員会は、当該事故の当日から航空事故調査官を東京国際空港に派遣し調査を開始しており、「刑事捜査優先の実態を示している」との御指摘は当たらないと考えている。

二について

 前段のお尋ねについては、捜査員の有する知識及び経験については、これを明らかにすることにより、今後の捜査活動に支障をもたらすおそれがあり、お答えすることは差し控えたい。

 後段のお尋ねについては、個別の報道の内容に関するものであり、政府としてお答えすることは差し控えたい。

三について

 御指摘の「刑事捜査が優先されていなければ、避けられた事案であった」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、御指摘の「事例」を受けて、御指摘の「再発防止策」及び御指摘の「対策」について特段検討を行っていない。

四について

 お尋ねについては、令和元年六月十二日の衆議院国土交通委員会において、石井国土交通大臣(当時)が「運輸安全委員会は、国家行政組織法第三条に基づくいわゆる三条委員会でございます。府省の大臣などからの指揮や監督を受けず、独立して権限を行使することができる合議制の機関でございます。特に、運輸安全委員会は、国土交通大臣への勧告、意見の発出を行うこともあるため、運輸安全委員会設置法第六条に基づき、委員長及び委員の職権行使の独立性が担保されております。このため、国土交通大臣は、個別の調査案件につきまして、運輸安全委員会に対して特段の指導等を行う立場にはございません」と答弁したとおりであり、委員会においては、独立した立場で附属書の趣旨に沿って事故原因の調査を行っているものと考えている。