質問主意書

第213回国会(常会)

質問主意書

質問第二二四号

養育費不払いと共同親権に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和六年六月二十一日

水野 素子


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   養育費不払いと共同親権に関する質問主意書

一 民法等の一部を改正する法律(令和六年法律第三十三号)による改正後の民法第八百十九条において、裁判所が親権の判断に当たって子の利益のために考慮する「その他一切の事情」に、適切な額の養育費の支払い実績や支払いの保証を含めるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

二 第七百六十六条の三で、いわゆる法的養育費の支払いの免除事由として、支払い能力を欠くこと、支払いにより生活が著しく窮迫することを証明したとき、が例示されている。この場合の「生活」とは、離婚した後に再婚等により新たな家族がある場合の生活費用のすべてが当然に含まれるものではなく、すなわち、離婚前の子の養育に必要な費用が離婚・再婚後の家族の生活費との間で不利に扱われないように配慮すべきと考えるが、政府の基本的な考え方を示されたい。

三 第八百十七条の十二で、親の責務として「自己と同程度の生活を維持することができるよう扶養しなければならない」と明記されているため、養育費には自己と同程度の教育(自己が大学まで出ていれば大学まで)の教育費を含むことを原則として算定すべきと考えるが、政府の基本的な考え方を示されたい。

四 我が国では裁判を経ない協議離婚が多く、DVなどによる離婚時に養育費について十分な協議を行うことができないケースも多い。法の趣旨に基づき、子の利益のために離婚後も親の責務として自己と同程度の生活を維持する扶養のため、裁判所が例外として認める特別な場合を除き、本来親が負担すべき養育費の具体的な事項とその水準の考え方について、政府として指針を示すべきと考えるが、政府の見解と取組を示されたい。

  右質問する。